It is Now or never.
なし
学生の時分から
住んでいた
大井競馬。
そして、
競艇場ちかくの
大森の高級マンション
たまたま上層階が
売りに出て
稼いだお金
すべてで
買った。
売主に
驚いた
日本の大手通販
ライバル企業社員。
思わず陳さんとつぶやく。
「暗い夜道と
ライバル企業の・・・」
不動産会社立ち合いの
売買契約日。
こちらをできるだけださずに
控えめに話を聞く。
「共働きで
疲れたんで、
郊外に戸建てを買って
子育てしちゃいます!!」
やたらと
テンションが高い。
こちらはあわせず、
冷静に秘書を
装う。
会社役員用スタンス。
それにしても
本当に
日本も
育休がとりやすくなったらしい。
男も女も!!
仲介不動産会社の
勧めによって
3千万で購入。
問わず語りに聞いたところ
2年、我武者羅に働き
部屋の価値も2倍になったので
売却とのこと。
いやはや・・
こちらも
部屋を買ってしまったので
我武者羅に働いた。
収益の確保。
「シルクロード」で
通販のノウハウを確立。
ノウハウが収集され
回りだす。
関連も売れ出す。
完成した。
それを機会に思い切って
独立。
一人で・・
叔父も少し出資。
異国の地
上海に
会社を設立。
設立を決定したころ
東京2020も決定。
建設会社は特需が期待。
まあ、そうなりゃあ
儲けるものも出る。
週刊誌も提灯記事。
「オリンピックで活況する街
ベスト10」
まあ、べたで
よくある記事。
東北の震災もあったので
地震に強いことも
加味されている。
ご多聞にももれず
私の住む地区も取り上げられていた。
どこでも
いいんじゃない。
というくらい
ひっきりなしの勧誘。
まあ、湾岸。
そして羽田に近いところは
人気があると聞いていたが
まさかここまでとは。
オリンピックが決まってからは
「売りませんか」
「ぜひ、売却を」
「転売しましょうよ」
連日の電話攻撃。
離れることを
決めていたので
思い切って売る。
学生時代のねぐら共々。
3部屋で1億2千万なり。
これを元手に
儲けてやる。
海千山千の街。
上海に。
それから
数か月。
もう日本に
帰国することもないと思っていたのも
束の間。
どっこい。
中国は思いのほか
北海道ブームで
コンテンツ。
インターネットビジネスが
活況を呈し始めた。
そして物産も売れた。
売れるとわかると
なりふり構わずに
本家を勝手に商社登録する輩もいたが
関わらないように
火の粉を被らないようにした。
陳さんの
「特許。そして、商法やで」
をしっかり守った。
商慣習が違っても
さすが、ジャポネ。
日本人と。
相手をたてる商売が信用を呼び
北海道を案内することが増えた。
札幌を中心に地場の産業を
紹介する機会も日に日に増加。
もちろん
北海道に何度も向かった。
紹介したり、接待したり
東京よりも足蹴く通った。
なんで上海での商売が
ドサンコに
そう思ったりした。
そんな気分を埋めるため
ぽっかり
空いた時間には
海沿いをドライブした。
中国に住んで
最近思い出す
岩手の海岸風景。
学生の頃のことは
美化されるものなのか。
海の見える丘陵。
また、見たかった。
そんなことを
腐れ縁の秘書有村に
つぶやく。
彼女もよくついてきてくれた。
そして
情報網に
ぴったりのところが
ひっかかったという。
なし