呪い天使 07 『感情』
鈴科が・・・母に・・・
呪い天使 7 『感情』
・・・・・プルルル・・・・プルル・・・・・・
いつも学校を休むことのないあの鈴科が学校を欠席している。
僕はとっさにいやな予感がしたんだ。
鈴科は、僕の母、家を荒らそうとでもしているのか・・・?
様々なことを予測したがやはり答えはこれしかなかった。
・・・・・・・・プルルルル・・・・プルル・・・・・
早く出てくれ!お願いだ!
・・プルルル・・・・プルルルル・・・・・
大切な思い出が詰まった家、部屋、家具、写真・・・
そして何よりも大切な母・・・・・・
そして・・・たったひとつしかない・・・
・・・・・・・父が残してくれた物・・・・・・
鈴科っっっ!僕の全てを奪わないでくれ!
プルルルル・・・・・・・・
・・・ガチャ・・・・・・
え・・・?
『留守番サービスセンターに・・・・・・・・』
ダメだ・・・・・・・・終わった・・・・・・・・・・・・。
僕は職員室から出て行き、教室に戻ろうとした。
泣きながら、泣きじゃくって、今すぐにでも家に戻ろうと思った。
視界がぼやけていて階段に幾度とつまづく僕・・・
生きている心地がしなかった。
落ち着いて考えれば、全ては想像の範囲のことなのに・・・・
教室に戻る前に涙はふいておいた。
だけど何も見えていない。
真っ暗な闇の中に並んでる机があるだけだった。
目を真っ赤にしている僕の目には驚くべき光景が映ってしまった。
鈴科がここにいたのだ。
僕は再び目に涙をためながら彼の腕を握りしめた。
少し感情的になったのか。
もう既に被害妄想を事実だと無意識のうちに頭が仕立てていたのだ。
そしてその抑えきれない感情を鈴科にぶつけた。
家のこと、母のこと・・・彼が犯罪者だということ・・・
何か手を出したのか、何かしたのか・・・?
色々なことを鈴科に言う。
僕はここで落ち着けばよかったのだ。
周りも見えない、被害妄想が爆発、犯罪者への怒り。
落ち着けば良かったと後から思う後悔もよくよく考えればこの時点で落ち着くなんて不可能だった。
それほどにまで僕の心は暴走していた。
冷静さを失った僕は鈴科にあしらわれた上で払われた。
途中で先生も参加し、先生も僕を止めに入っていた。
「気持ち悪いんだよ・・・勝手に決め付けるなよ・・・
今日は偶然寝坊しただけだよ。
俺を犯罪者なんかにするんじゃねぇーよ、生徒会長さんっっっ」
「おーい!鈴科ー!伊藤ー!先生ー!」
誰かが僕たちを呼ぶ。
まただ。
また起きた。
僕は声の方を向いて顔が青ざめていくのを感じた。
「伊藤君の教科書が!や、やぶられていますっっっ!」
いじめは楽しいのだろうか?
苦痛を味わいさせて何になるとでもいうのか?
こんなことしても利にならないじゃないか。
そこまでして僕を陥れたいのだろうか?
先生が教科書を見ているとき僕は後ろをそっと向く。
鈴科がまた不敵な笑みで笑っている。
いや、いつもとは違う笑みだった。
いつもより深く、濃く、そして悪に満ちた、そんな笑み。
いつも以上に恐怖感が増したその笑みの理由は、先生が言った言葉で気付いた。
「教科書がこんなにも・・・ひどいな・・・伊藤君・・・、
・・・でも、時間的に遅刻してきた鈴科くんには不可能だな。」
それを狙って遅刻をしたのか・・・・
感情むき出しの態度は・・・