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呪い天使 05 『友人』

そして、事は始まった。


呪い天使5 『友人』



鈴科が、僕の靴を切り裂き、

先生に疑われるのを想定して僕の新品の靴を汚し、

そして帰り道で僕を殴った。

その彼の一言は、一生忘れることはないだろう。


「ごめんね、こんなんじゃすまないからね!」


僕は言葉を失った。

人望の厚い彼が、あのナイフをいつも所持していたと思うと・・・。

僕は怖くて仕方なかったんだ・・・。


家では親に耳にもそれは届いていた。

散々叱られた。

親まで僕を信じようとしなかった。

早く自白して謝りなさい、だとかそればっかだった。

僕は母の間違った説教に腹をたて、ドアを強く閉め部屋から出て行った。

その姿も、僕が変わってしまったと、母は悟ったのだろうか?

母は声を荒げ泣き出した。


学校に着く僕。

いつもは10分前には登校していたが

今日に限っては席に就いたとたんチャイムがなる始末だった。

俺の隣りはいつもと変わらず都宮だった。


「おはよう、今日は遅かったね!」

「あぁ、うん。」

「ねぇねぇ・・・あの事件だけどさ・・・本当のとこどうなの・・・?」


彼女は僕を信じてくれた。

そして真剣に話してくれた。

彼女が、心の支えとなってくれた。


「そうなんだ・・・。でもきっとみんな分かってくれるよ!」

「おーい都宮〜。」


だれかが都宮を呼んで僕と都宮の会話は中断された。


また独りになった僕の前にまた一人やって来た人がいた。

そう、水沢令治。


「お前どうしたんだよ、あれ、嘘だろ?」


こいつもだ・・・。こいつも僕を信じてくれる・・・。


「あぁ、あれは鈴科がさ・・・」

「俺、先生に言ってくるよ・・・。」

「やめたほうがいい。お前もいじめられるだけだ。」


少し腫れている頬を強調して見せた。


「・・・何も言わない方がいいな・・・。」

「僕たちは・・・彼らに何もすることができないんだ・・・。」

「あのさ・・・・」


水沢が話しかけた途端に授業のチャイムが鳴り響く。


国語の授業の始まりだ。


「教科書を開いてください。」


机から無造作にあさる僕。

あぁ・・・

僕は軽くため息をつく。

あいつ、どこまでやる気なんだ・・・?

そっと後ろの方の席を向く。

教科書を読みながらこっちを向き不気味に笑う鈴科が視界に入った。

僕の教科書は、どこにも見当たらなかった。

ここぞと僕は先生にこのことを告げる。

優しいことで有名の先生だったのでこれはチャンスだった。

だけど・・・


「先生、教科書がありません。」

「家に忘れたんじゃないのか?はい・・・56ページ・・・」


どの先生にもこのことは伝わってるみたいだった・・・。

間違った情報が、先生達の間に流れてしまった。

授業終わった後国語の先生が僕にこういう。


「何で自分のあやまちを他人のイジメのせいにしようとするのかい?

 ・・・ちゃんと謝りなさい・・・。今なら教育委員会も許すだろう・・・。

 悪いことは言わない。先生に本当のことを言えば警察は間逃れるんだからな。

 分かったかい・・・じゃぁね・・・。」


先生は僕に背を向ける。


「待ってくださいっっっ!!!」

「何だい・・・?」

「本当に、違うんですっっっ・・・先生・・・本当に・・・

 うっ・・・違うんです・・・うっ・・・・うぐっ・・・・

 信じてくださいよっっっ・・・・・うっ・・・・」


・・・みんなが僕を見ている。

同情してるのか?自作自演は恐ろしいと見ているのか?

・・・そこに鈴科の友人である『上前戒 ♂』が叫びながらやってくる。

きっと彼も真実をしてっているのだろう・・・。

きっとそいつは鈴科の仲間なんだろう・・・。


「先生っっっ、伊藤君の体操着、びりびりに破れてました・・・・っっっ!」


・・・またか・・・・・・・

みなさんは、いじめに対してどのような考えをもっているでしょうか?

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