呪い天使 03 『刃物』
伊藤に襲う被害・・・それは・・・
呪い天使 3 『刃物』
生徒会長の一次審査に受かり、喜んでいた矢先に僕の靴が刃物で傷付けられていた。
しかも本格的なナイフで、普通の人は持っていないだろうと思わるものだ。
ヤクザが僕を狙ってる・・・?
今まで関わることもなかった人が・・・?
大体なんで僕にこんなことを・・・?僕何かした・・・?
様々な可能性を僕を襲った。
「さようならー」
慌てて横を振り向くと、担任の茂木先生が僕に声をかけていた。
さようなら、ただ一言いえばいいのに声が出なかった。
先生が疑った目で僕を見る。
僕は必死に声を出そうとする。
「さっ、さよっならっっっ・・・」
震えながらそう伝える。
先生もニコッと笑ってその場を通り過ぎた。
しばらくして僕はナイフを取り外し、靴を手に持ちそのまま下校した。
帰り道、色々な事が僕の頭をよぎる。
そもそも僕には何の落ち度もない。
しいて言うならちょっと内気なだけだ。
僕はとりあえず靴を買いに行くことにした。
悩みに悩んだことも、この先すぐに分かることになる。
そこからだ。僕の生活が変わってしまうのは・・・。
とりあえず僕はこの靴のことは誰にも悟られたくなかった。
ボロボロになった靴はゴミ袋の中にしまいこんだ。
なけなしのお金で全く同じ種類の靴を購入した。
これで完璧。
生徒会長になろう人間がそんなんではだめなのだ。
「あれ・・・?ナイフはどこだっけ?・・・まぁいいや。」
満足に満ちた表情で僕はいつもの帰り道を歩いた。
次の日のこと。
なんかクラス中がざわめいてる。
いつものことだ。みんなが騒いでるだけだ。
特別視する必要はない。
やべっ、宿題やってなかったっけ;えーと、134ページ134―ぺージ…
そんな毎日の繰り返し。
チャイムの音が鳴り響く。いつもより低く響き渡る。
その低いチャイムが鳴ると同時に僕は教室のドアを開け、席に着いた。
そして定番のホームルームが始まる。
「おはようございます。
最近のみんなの服装はだらしないです。先生のようにネクタ・・・」
先生の話を真剣に聞くのはクラスの少人数だけだった。
それでも僕は先生の話をひたすら聞く。
先生はいいことを言うときもある。
いちばん前の席で先生を見つづけた。
「では、朝のホームルームは終わりです。
・・・伊藤君、鈴科君、この後職員室前にきなさい。」
最後に小声でこういった。
さっそく生徒会長のことだと思った。
なんせ全学年をまとめる仕事に就こうとしてるんだから。
きっと鈴科も呼ばれて立候補の準備をするのだろう。
僕は締まっているネクタイをさらに締めた。
職員室前に行くと茂木先生が立っている。
その後ろには鈴科もいる。
先生は真面目な顔をしている。
ふと後ろを見ると遠くのほうで校長先生がいる。
ヌケてられないなと心で笑った。
そこで、なんか茂木先生が僕に何か言った。
確かにそういった。
僕は耳を疑った。
そして体中が固まった。
「伊藤君、このナイフは何だい?」
伊藤の行動が今後・・・