第6話:初めての治癒
魔法の発動
蒼、グレンの腕の傷に手を当てる。
目を閉じて集中。
「治ってくれ...」
手のひらから緑の光
しかし、さっきより強い光。
グレンの傷が塞がっていく。
血が止まり、皮膚が再生し、傷跡が消える。
完治
グレン、驚いて自分の腕を見る。
グレン「...これは」
蒼も自分の手を見て驚いている。
蒼「本当に...治った」
グレンの反応
グレン、蒼の手を掴む。
グレン「お前...治癒魔法が使えるのか?」
真剣な表情。
蒼「わかりません...今朝、初めて使えることに気づいて」
グレン「今朝? じゃあ、訓練もなしに?」
蒼「はい...」
グレン、蒼の目を見つめる。
グレン「お前、ただ者じゃねぇな」
蒼「え...?」
グレン「治癒魔法ってのは、高度な技術だ。普通は何年も修行が必要なんだよ」
「それを無意識に、しかもこれだけの精度で使える奴は...」
蒼「...」
グレン「お前、もしかして...転生者か?」
告白
蒼、言葉に詰まる。
グレン「黙ってるってことは、図星か」
ため息。
グレン「まぁ、その眼を見りゃわかる。普通の人間の目じゃねぇ」
蒼「...すみません、隠してて」
グレン「謝る必要はねぇ。誰だって、言いたくないことはある」
暖炉の前に座るよう促す。
グレン「ただ、一つだけ教えろ。お前、何で転生した?」
蒼「...」
グレン「選んで転生したのか? それとも、事故か?」
蒼「...半分、選びました」
グレン「半分?」
蒼「元の世界で...全部失って。死のうとして。そしたら、気づいたらここに」
グレン、静かに頷く。
グレン「...そうか」
グレンの過去(一部)
沈黙の後。
グレン「俺もな、昔は死にたいと思ってた」
蒼「え...?」
グレン「大切なもの、全部失ってな。毎日、死に場所を探してた」
蒼の【真実を見抜く眼】が、グレンの深い悲しみを感知する。
グレン「でも、ある日気づいたんだ」
「死ぬのは簡単だ。でも、生き直すのは...それこそ勇気がいる」
蒼「...生き直す」
グレン「お前にその力があるなら、俺が教えてやる」
「この世界で生きる方法を。その魔法の使い方を」
蒼「...どうして、そこまで」
グレン「見捨てられねぇんだよ。お前みたいな目をした奴を」
壁の裏返された写真を一瞬見る。
グレン「それに...お前の魔法、誰かの役に立つ」




