第3話:グレンの小屋へ
森の道
グレンが先を歩き、蒼がついていく。
グレン「この森は魔物が多い。お前みたいな素人が一人でいたら、すぐ死ぬぞ」
蒼「...別に、死んでもよかったんです」
グレンの足が止まる。
ゆっくりと振り返る。
グレン「...何だと?」
蒼「だから、死んでも—」
グレンの拳が蒼の頬を殴る
蒼、地面に倒れる。
グレン、怒りを抑えた低い声で:
グレン「二度と言うな、そういうこと」
蒼「...なんで」
グレン「なんでもクソもあるか。命を粗末にする奴は、俺が一番嫌いなんだよ」
蒼の【真実を見抜く眼】が、グレンの怒りの奥にある「悲しみ」を感知する。
グレン「...立て。置いてくぞ」
蒼、頬を押さえながら立ち上がる。
蒼の内心:
「この人...誰かを失ったんだ。死なれることが、耐えられないほどに」
小屋の到着
森の奥にある、小さな木造の小屋。
煙突から煙が出ている。
グレン「ここが俺の住処だ」
扉を開ける。
小屋の中
質素だが清潔。
暖炉、ベッド、テーブル、武器庫。
壁には古い写真が一枚。
(グレンと、女性と、少女。笑顔)
蒼、その写真に目が留まる。
グレン「...見るな」
写真を裏返す。
グレンが簡素なスープを作る。
テーブルに二つの椀を置く。
グレン「食え」
蒼「...」
グレン「腹が減ってないわけねぇだろ。食え」
蒼、スープに手を伸ばす。
一口飲む。
温かい。
涙が出そうになる。
蒼の内心:
「...温かい食事なんて、いつぶりだ」
グレン「うまいか?」
蒼「...はい」
グレン「そうか」
沈黙。
しかし、不快な沈黙ではない。
夜の対話
食後。
暖炉の火を見つめる二人。
グレン「お前、本当はどこから来た?」
蒼「...遠いところです」
グレン「記憶喪失じゃないんだろ?」
蒼「...どうして?」
グレン「お前の目、何か隠してる目だ」
蒼、返す言葉がない。
グレン「まぁいい。話したくないなら無理に聞かねぇ」
「ただ、一つだけ約束しろ」
蒼「...何を?」
グレン「俺の目の前で死ぬな」
蒼「...」
グレン「それだけだ」
蒼の【真実を見抜く眼】が、グレンの「本気」を感じ取る。
この人は、本当に心配してくれている。
蒼「...わかりました」
グレン「よし。寝ろ。明日から色々教えてやる」
蒼「教える?」
グレン「この世界で生きる方法をな」
夜の独白
蒼、ベッド(干し草の上に毛布)で横になる。
天井を見つめる。
蒼の独白:
「異世界に来た」
「若い体になった」
「不思議な力も手に入れた」
「...でも」
グレンの寝息が聞こえる。
「俺は、何をすればいいんだ」
「過去は消えない」
「失ったものも戻らない」
窓から月が見える。
「...それでも」
グレンの言葉を思い出す。
「この世界で生きる方法を教えてやる」
「もう少しだけ...生きてみるか」
目を閉じる。




