第17話:翌日の治療活動
朝の広場
翌朝、蒼が広場に出ると、すでに人が並んでいる。
昨日治療を受けられなかった人々。
蒼「こんなに...」
グレン「人気者だな」
村長も来ている。
村長「昨日の評判を聞いて、近くの村からも人が来てるんだ」
蒼「え...!?」
村長「お前の腕、本物だからな」
様々な症例
老婆の視力低下
老婆「もう何年も、ぼんやりしか見えなくて...」
蒼、【真実を見抜く眼】で老婆の目を視る。
視神経の衰え。
水晶体の濁り。
蒼「...これは難しい」
グレン「無理だと思ったら、断ってもいいんだぞ」
蒼「いえ、やってみます」
慎重に、目に手を当てる。
緑の光。
視神経を刺激し、水晶体の濁りを取り除く。
老婆、目を開ける。
老婆「あら...? 見える...孫の顔が、はっきり見える!」
涙を流す老婆。
蒼も、嬉しくなる。
農夫の腕の骨折
農夫「昨日、畑仕事で骨折しちまって...」
蒼、腕を視る。
骨にひびが入っている。
蒼「これは...時間がかかるかもしれません」
農夫「構わねぇ。頼む」
蒼、両手で腕を包む。
集中。
骨を再生させるイメージ。
15分ほどの治療。
汗だくになりながらも、完治させる。
農夫「すげぇ...本当に治った!」
腕を動かしてみせる。
村人たち、拍手。
少女の心の傷
最後に、一人の少女(10歳くらい)が来る。
母親に付き添われている。
母親「この子、体はどこも悪くないんですが...」
少女、俯いたまま何も言わない。
蒼、【真実を見抜く眼】で少女を視る。
視えたもの:
体は健康
しかし心が、深く傷ついている
恐怖と悲しみの暗いオーラ
蒼「...心の傷」
母親「実は、数ヶ月前に魔物に襲われて...それから喋らなくなって」
蒼、グレンを見る。
グレン「心の傷は、治癒魔法じゃ治せねぇ」
蒼「...」
蒼の限界
蒼、少女の前に膝をつく。
蒼「...ごめんなさい。俺には、治せません」
母親「そう...ですか」
失望した表情。
蒼、無力感に襲われる。
蒼の内心:
「治せない...心の傷は治せない」
「結局、俺の力にも限界がある」
しかし
蒼、少女に手を伸ばす。
蒼「でも...」
少女の手を握る。
蒼「一緒にいることはできる」
少女、初めて蒼を見る。
蒼「俺も、辛いことがあった」
「だから、君の気持ち...少しわかる気がする」
少女の目から、一粒の涙。
蒼「無理に話さなくていい。でも、一人じゃないよ」
少女、小さく頷く。
母親、涙を流す。
母親「ありがとうございます...」
グレンの言葉
治療を終えた後。
グレン「よくやった」
蒼「でも、あの子は治せなかった...」
グレン「治せなくても、寄り添えた」
「それも、大事なことだ」
蒼「...」
グレン「お前の【再生の魔法】は、体を治す」
「でも、お前自身の優しさは、心に寄り添える」
「それを忘れるな」
蒼「...はい」




