第112話:休息と対話
村長の家で
カイルの説得で、二人は休憩を取る。
村長の家で、食事。
蒼とリリア、黙々と食べる。
初めての会話
蒼「...リリアさん」
リリア「何?」
蒼「さっき、ありがとうございました」
「俺一人じゃ、治せなかった」
リリア「...当然よ」
「この病原体は、協力しないと無理」
蒼「リリアさんの魔法...すごいですね」
「あんなに精密に、病原体の耐性を崩せるなんて」
リリア「...」
少し顔を赤らめる。
リリア「ふん、当たり前でしょ」
「私は天才だから」
蒼、微笑む。
蒼「確かに、天才ですね」
リリア「!?」
「か、からかってるの?」
蒼「いえ、本当にそう思います」
「俺には、あんな精密な魔法は使えません」
リリア「...」
リリアの過去
リリア、少し考えた後。
リリア「...私ね」
「昔から、天才って言われてきた」
蒼「...」
リリア「5歳で治癒魔法を覚えた」
「10歳で正式治癒師」
「12歳で上級治癒師」
「みんな、私を褒めた」
「すごい、天才だって」
リリア「でも...」
「友達は、できなかった」
蒼「...」
リリア「みんな、私を怖がる」
「天才すぎて、近づけないって」
「私が話しかけても、みんな距離を置く」
蒼「...寂しかったんですね」
リリア「!?」
「べ、別に...寂しくなんか...」
しかし、目が潤んでいる。
蒼「俺、わかります」
「俺も、元の世界では...孤独でした」
リリア「...元の世界?」
蒼の告白
蒼「俺、転生者なんです」
リリア「転生者...」
蒼「元の世界では、全部失いました」
「家族も、仕事も、居場所も」
「誰も、俺を必要としなかった」
リリア「...」
蒼「だから、孤独の辛さ...わかります」
リリア、蒼を見つめる。
リリア「...あなた」
「思ったより、いい人ね」
蒼「え?」
リリア「最初、あなたのこと、嫌いだった」
「特別扱いされて、腹が立った」
「でも...」
「今は、少し...認めるわ」
蒼「...ありがとうございます」
リリア「それに...」
「あなたの【絆の再生】」
「あれは、すごい」
「私には、できない」
蒼「でも、リリアさんの精密さも、俺にはできません」
「お互い、得意なことが違うんですね」
リリア「...そうね」
小さく微笑む。
蒼、初めて見るリリアの笑顔。




