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異世界転移したくてワンチャンDAIぶ!!  作者: 向陽葵
第一章:絶望と転生

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第1話:絶望と転生

結婚した相手が性自認を偽っていたことが発覚し離婚

相手に親権も奪われ、仕事先も倒産

全てを奪われた27歳の男(成宮 蒼)

趣味が異世界転生ものの漫画が好きで拗らせ現世が嫌になりワンチャンダイブしたことが切っ掛けで始まる異世界転生物語

深夜2時

雨が激しく降る中、街灯に照らされた橋の上、車も人もいない、静寂の中

成宮蒼(なるみや あおい)(27歳)が欄干に手をかけて立っている。

スーツはびしょ濡れ、髪から雨水が滴る。

手には二つのもの(離婚届の書類・スマートフォン(画面には娘の写真))


蒼の独白「いつから、こんなことになったんだろう」


フラッシュバック1:結婚生活の崩壊(3ヶ月前)


夜のダイニング

蒼と配偶者が向かい合って座っている。

小夜(さよ)「あのね...話があるの」

蒼「何? 仕事のこと?」

小夜(さよ)「...違う。私自身のこと」

緊張した沈黙。

小夜(さよ)「私、ずっと言えなかったんだけど...性自認が、戸籍上の性別と違うの」

蒼、動揺して言葉が出ない。

小夜(さよ)「ごめんなさい。結婚する前から分かってた。でも、言えなくて...」

蒼「...待って、それって、俺のこと騙してたってこと?」

小夜(さよ)「騙すつもりはなかった! でも、言えなかったの。あなたを愛してたから」

蒼「愛してた...? 過去形?」

小夜(さよ)、俯く。

小夜(さよ)「...もう、私、自分に嘘をつき続けられない」

胡桃(くるみ)(5歳)の部屋から寝言が聞こえる

「パパ...」

蒼、拳を握りしめる。

蒼「娘は...? 俺たちの家族は?」

小夜(さよ)「...離婚したい。親権は私が」


フラッシュバック2:親権争い(2ヶ月前)


家庭裁判所の廊下

弁護士「残念ながら、親権は相手に渡る可能性が高いです」

蒼「なんで!? 俺だって父親なのに!」

弁護士「主たる養育者の実績、収入の安定性...様々な要素が考慮されます。それに、相手の弁護士は、あなたの『精神的不安定さ』を主張しています」

蒼「精神的不安定...?」

法廷での尋問シーン

相手弁護士「あなたは最近、仕事を休みがちだと聞いていますが?」

蒼「それは...家庭のことで...」

相手弁護士「感情的になりやすい、と配偶者は証言しています。お子さんにとって、安定した環境が必要では?」

蒼、言葉に詰まる。

判決の日

裁判官「親権は、申立人に認めます」

蒼、崩れ落ちそうになる。

廊下で、娘が配偶者に手を引かれていく。

胡桃(くるみ)「パパ...? パパ!」

蒼「待って...!」

小夜(さよ)「もう会わないで。娘のためよ」

娘の泣き声が遠ざかっていく。


フラッシュバック3:会社の倒産(1ヶ月前)


オフィス

上司「突然だが、会社は今月末で倒産する」

社員たちのざわめき。

上司「申し訳ない。君たちには退職金も満足に払えない」

蒼、呆然とする。

同僚との会話

同僚「成宮、お前どうすんの?」

蒼「...わかんない」

同僚「俺、もう次の仕事見つけたわ。お前も早く動いたほうがいいぞ」

蒼の内心:「動く...? どこに? 何のために?」


フラッシュバック4:孤独の日々(現在まで)


ワンルームアパート

散らかった部屋。コンビニ弁当の空き容器。

床には異世界転生漫画が何十冊も積まれている。

蒼、無表情で漫画を読む。

蒼の独白:

「異世界転生か...いいな。こんな人生リセットできたら」

「主人公は特別な力をもらって、仲間に囲まれて、幸せそうだ」

「...現実は、何もない。誰もいない」

鏡の中の自分

やつれた顔、伸びた髪、無精髭。

蒼「何してんだろ、俺...」


橋の上に戻る

現在(深夜2時)

蒼、欄干に両手をかけ、川を見下ろす。

蒼の独白:

「娘を失った」

「仕事を失った」

「生きる意味を失った」

「...もういいか」

スマホの娘の写真を最後に見つめる。

娘の笑顔。「パパ大好き!」と言っていた頃の記憶。

蒼「...ごめんな」

欄干に足をかける—

その瞬間

突然の眩しい光。

蒼「!?」

意識が飛ぶ。

落下の感覚。

しかし、水に落ちる音はしない。

光の中での声

無音の世界。

どこからか声が響く。

謎の声(性別不明、優しくも厳しくもある声)

『お前は、逃げるのか?』

蒼「...誰だ?」

『お前の人生は、本当にそれだけか?』

蒼「...もう、何も残ってない」

『では問おう。お前は何を求める?』

蒼「...わからない。ただ...」

『ただ?』

蒼「...もう一度、やり直せたら」

『やり直す勇気はあるか?』

蒼「...わからない。でも...」

『ならば、与えよう。再生の機会を』

蒼「再生...?」

『お前が求めるなら、新たな世界で生きるがいい』

『ただし—』

蒼「ただし?」

『過去の痛みは、お前と共にある。逃げることはできぬ』

蒼「...それでも、いい」

『では行け。真実を見抜く眼と、再生の力を授けよう』

『その力をどう使うかは、お前次第だ』

光が一層強くなる—

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