大会リベンジ3
相手の《ビック・タイラント・レックス》の攻撃が成功して、俺の山札が10枚トラッシュされた。
俺のターンにキャラクターは出せたが、相手のキャラクターを対処出来なかった。返して相手のターン、2体目の《ビック・タイラント・レックス》が出て来た。登場時効果とアタックを合わせて山札から30枚がトラッシュされた。
「俺のターン、ドロー。……降参します」
手札に2体の《ビック・タイラント・レックス》をトラッシュ出来るカードは無い。次の相手のアタックで負けが確定するので降参した。
「「ありがとうございました」」
対戦が終わって片付けていると、相手が話しかけてきた。
「大きいキャラの処理は難しいですか?」
「そうですね。対策はしてたんですが全てトラッシュされました」
「それは残念ですね」
デッキの事を聞くと丁寧に教えてくれた。大型で強力なキャラクターをメインにした”ファッティ”というタイプのデッキだという。序盤から《インビンシブル・ラット》と《食物連鎖》のコンボで手札とトラッシュを増やして《ビック・タイラント・レックス》を登場させて攻撃するのがコンセプトだそうだ。
「対応力が高くないのでネタ扱いされてますが、決まった時の爽快感が好きで偶に使うんですよ」
対戦相手にお礼を言って、隣で行われている未来と現さんのバトルを見る。現さんのフィールドには大量のキャラクターが並んでいる。
反対に未来のフィールドにはキャラクターがいない。今は未来のターンのようだ。
「《リアリセリング・ヴィジョンドラゴン》を登場させます。登場時効果によりトラッシュのカードをリサイクル、さらに《リアリセリング・ヴィジョンドラゴン》を登場させます。これでターン終了です」
「拙者のターン、ドロー。手札から《スマート・デバイス》を使うでござる。山札の上から7枚を見て、〈系統:未来〉のカード1枚を手札に加える。拙者は《神の落日》を手札に加えるでござる」
「……投了します。ありがとうございました」
「ありがとうございました。未来殿、投了には少し早いのではござらんか?」
「必要なカードはトラッシュに落ちてるんですよ。なので、勝つには攻撃を全て成功させる必要があります」
「1回でも止まると押し切られる、という事でござるか」
「それでは全勝者が決まりました。今日の優勝は現さんです、おめでとうございます」
店員が優勝者を宣言して大会は終わった。未来に話しかけると、仕方ないと言われた。
「文字通り格の違う相手だからね。でも、良い勉強になったから帰ったら研究のやり直しだ」
「研究って、なに研究してるんだ?」
「デッキレシピを探したり、動画を見たり、あとは……」
強い人が作ったデッキの内容が出回っていて、参考にしているそうだ。動画は、プレイの振り返りや流行ってるデッキの動きを理解するのに見るそうだ。
「動画を見ながら、自分ならどうプレイするかを考えるんだ。そうすれば、始めて対戦する時でも勝つ可能性を上げられる」
「俺のデッキの動画とかってあるかな?」
「あると思うよ。見つけたらリンク送るよ」
その後は少し話して解散した。俺はバイトがあるし、未来も用事があるそうだ。
《リアリセリング・ヴィジョンドラゴン》〈系統:未来・テクノ・幻想〉
・キャラクター
・登場時効果:トラッシュにあるカードが全て〈系統:未来〉なら、リユースカードを全てリサイクルする。
《神の落日》〈系統:未来・幻想〉
・アイテム
・〈系統:幻想〉をもつキャラクターを全てレストする。そのキャラクターは次の相手のターン、リフレッシュしない。