大会リベンジ2
今度は俺の先行だ。キャラクターを出してターンを終了する。相手もキャラクターを出して終了した。帰ってきた俺のターンでは使えるカードを使っていく。
未来のアドバイスでは、時間が掛かるほど不利になるから早めに決着を付けられるようにカードを使うのが良いらしい。
「フィールドカード《狩猟の壁画》を配置、相手フィールドのコスト「2」以下のキャラクター1体をトラッシュします」
相手のフィールドからキャラクターがいなくなった。今のうちに攻撃出来るだけ攻撃する。続く相手のターンでは、俺のキャラクターがトラッシュされた。しかし、追加のキャラクターは出てこなかった。
以降は、俺はキャラクターを出して相手が対処するターンが続いた。
「俺のターン、ドロー。手札から《ワイルド・マンモス》をフィールドへ」
「カットインを宣言、《地崩れ》を使用。《ワイルド・マンモス》をレストします。次の相手のターン、この効果でレストしたキャラクターはリフレッシュしません」
「《ワイルド・マンモス》の効果を使います。このカードをトラッシュすることで、トラッシュのカード3枚をリサイクルします。続けて《エンペラー・マンモス》をフィールドへ」
以降は相手が《エンペラー・マンモス》をトラッシュ出来なかったので押し切れた。
「「ありがとうございました」」
(勝った!)
俺は小さくガッツポーズを取った。カードを片付けていると未来が声を掛けてきた。
「勝ったみたいだな」
「ああ、未来のアドバイスのお陰だ。そっちはどうなんだ?」
「俺も勝ったよ。っと、次の組み合わせが決まったみたいだ」
俺たちは席を移動してゲームの準備を始めた。俺と未来は隣の席に座った。そして、未来の相手は現さんだ。
「カットお願いします」
「すいません、カットお願いします」
今は自分の対戦相手に集中だ。相手のデッキをシャッフルして返した。ジャンケンの結果、俺の後攻だ。
「「よろしくお願いします」」
対戦が始まった。今度の相手はどんなカードを使うのか、少しワクワクする。
「《インビンシブル・ラット》を5体登場させます」
「同じカードは4枚までなんじゃ?!」
「《インビンシブル・ラット》の効果で5枚以上デッキに入れられるんです」
「そんなカードもあるんですね」
「では、続けて《食物連鎖》を使います。〈系統:古代・動物〉の両方を持つキャラクターを全てトラッシュします。その後、トラッシュした数だけドロー出来ます」
相手はさっき登場させた《インビンシブル・ラット》を5体全てトラッシュして5枚ドローした。
「これで終了します」
「俺のターン、ドロー。《狩猟の壁画》を配置、さらに《いななくマンモス》を登場させます。登場時の効果により《子連れマンモス》を手札に加えて、ターンを終了します」
「マンモスデッキですか?」
「【古代の軌跡】を改造したんです」
「いいですね。マンモスはリソース回復の効果持ちが多いので使いこなせれば強いですよ」
「そうなんですね」
「では、ターンを貰ってドロー」
相手はまた《インビンシブル・ラット》を並べてきた。このキャラクターはコスト0だけど、アタックも0だ。しかも攻撃にも防御にも参加出来ないカード。
何かを狙ってるんだろうけど、それが何かは俺には分からない。
「《大量絶滅》を使用します。お互いの〈系統:古代〉のキャラクターを全てトラッシュします」
「カットイン! 《いななくマンモス》の効果を使います」
《いななくマンモス》はカットインでトラッシュすれば、トラッシュのカードを1枚リサイクル出来る。
相手のキャラクターも全てトラッシュされる。相手の手札は1枚。何か出来たとしても勝つのは難しい筈だ。
手札が少ないと辛いのは俺も知ってる。このまま押し切れると思ったけど、甘くはなかった。
「手札から《ビック・タイラント・レックス》を登場させます。登場時効果により、相手の山札を10枚、自分の山札を5枚トラッシュ」
「?!」
キャラクターが出ただけで山札が10枚も削られた。それだけじゃ無い。出てすぐ攻撃できる能力〈暴走〉を持っている。しかも、アタックは破格の「10」。
「《ビック・タイラント・レックス》で攻撃します」
【用語解説】など
コストの支払い→トラッシュにある表のカードを裏返す事で支払い可能。裏返したカードは、名称・効果・コストなどが無いカードとして扱う
リユースカード→トラッシュにある裏側のカード
リサイクル→リユースカードを表にする事
レスト→タップ状態。攻撃、防御に参加出来ない。
リフレッシュ→アンタップ。レスト状態を回復。
カットイン→バトスピでいうフラッシュタイミング。即時解決