新商品を仕掛けよう③
「グループシェアリングって機能が追加されたからロミーを共有者登録してみてもいいか?」
「是非。よろしくお願いします」
グループシェアリングには共有する相手の名前と生体認証を登録する必要があった。名前はローズマリー。生態認証は画面の裏側にカメラがあるかの様に読み込み画面が表示されたので、手を翳して貰って指紋を登録した。するとロミーにも俺が見ているFAZNAの画面が見える様になった。
「これは凄いですね。ここからFAZNA商店で取り扱っている商品を注文出来るのですか?」
ロミーがいつもの飲み込みの早さですぐにFAZNAの機能を把握。今まで俺が目の前で操作していたのを参考にして画面の操作を始めた。
「あ、こうすると画面を動かせるんですね」
なにぃ!?俺が今まで気付いていなかった操作方法にまで気付いただとぉ!?
「そ…そうなんだよ。よく気付いたな。ロミーは流石優秀だよ」
「いえ、私なんてホクト様の見よう見真似でやっているだけですから。こういう商品が取り扱い出来なら革新的ですね」
「そうだな。TANGAを流行させる事は成功したが、このままではFANZA商店はTANGAの専門店になってしまう。早急に次を仕掛けて新しい流行りを生み出したいんだよ」
「ホクト様。私も一緒に考えたいので、どんな商品なのか詳しく教えて頂いてもよろしいですか?まずはこのエロ本と言うのから」
「わかった。因みに俺の母国の文字は使われているんだが、エロ本が読めてるって事は文字は読めるのか?」
「はい。私にはこの国の言葉に見えています」
そうなのか。FAZNAって異世界の言語にまで対応してるんだな。流石は俺達のFAZNA。最強過ぎるぜ。
「ただいまー。お?何二人でイチャついてるんだ?ロミーの告白が成功したのか?」
「お兄ちゃん!何言ってるのよ!もう午後三の鐘が鳴ってるから出て行ってよ!」
「ジークはデリカシーが無さ過ぎるぞ。そもそもロミーが俺みたいなのに告白とか冗談にもならないから止めてやれ。そんな事より運動不足だって嘆いてたって聞いたぞ。店の宣伝をしながらだったら筋トレしてて良いから通行人の邪魔にならない程度に体を動かしておけ」
「うぉぉ!やったぜぇぇ!それでは警備に行ってまいります!」
あいつ、嬉々として外に出て腕立て伏せを始めたぞ。「FAZNA商店!」「TANGA!」「在庫有ります!」って腕立て一回ごとに叫んでるんだが。俺から見ればヤベェ奴にしか見えなくても、この世界の住人にとっては珍しい見世物として宣伝効果は見込めるだろう。
ところで、どうしてロミーは肩を落としてるんだ?女心はFAZNAでだって学べない。




