裏
いつもより更に短いですがよろしくお願いします。
「まあ、普通に考えれば彼方は足止めの要員を出してくるでしょう」
移動中、トミイタはそう言った。
その言葉にジチョウが反応する。
「誰が残るか分かるか?」
「そうですね。恐らく三十階層手前で待機するのは『鍵の破片』を合成するための一人、その他に別のグループから四人と言ったところでしょうか」
「やはりそうか。三十層のボス戦を早い者勝ちにするなら、各グループから同じ人数を出すのが妥当か」
トミイタの予想と自身の予想が重なったことにジチョウは頷く。
ただ、ジチョウに分かるのはここまでだ。
トミイタも同じか、それとも。
「メンバーは分かるか?」
「単純な話、各々のグループで一番の実力者がその場に残るでしょうね。しかし、その人物が必ずとも下にたどり着いているとも限りません。ただ、かなり確率が高いのは『鍵』の合成要員でしょうね」
「誰か分かるのか?」
「確実とは言えませんよ。ただ、選出方法は最後にたどり着いた人とかでしょうね。一番人の意思が介在しにくい。となると、僕はここに来る前に『花火』さんが『鍵の破片』を入手した際に遭遇しています、ログとヒント、そして皆さんとの情報の共有した結果を考えれば、十中八九彼女がその要因でしょうね」
「つまり、その『花火』って子は防衛にはいないってことか」
「僕が知る限り、グループ内で一番大きな攻撃力を持っているのは彼女ですし。ただ、なんにしても道中で彼らから情報を持ってくるであろう中川原さんに聞けばいい事ですが」
ジチョウはその名前を知らない。
情報の共有はされたが、すこしバズった程度でそこまで知名度が高い人物ではないようだ。
以外にもこの中にも知って言る人がちらほらいたので、ネタとしては新鮮なのかもしれないが。
「まあ、とにかくそこから考えられる人物はなんとなく想像できますが……」
「どうした?」
「いえ、問題は彼らがどのような方法で待ち構えているかです」
トミイタは考えをめぐらすように顎を撫でる。
「正面戦闘を避ける可能性は高いです。しかし、開けたダンジョンどんな方法を取ってくるか」
トミイタはブツブツと言う。
しかし、ジチョウは前を向いて言った。
「いや、以外にも正面戦闘みたいだぜ」
そこには一人、少女がいた。
「『花火』……さん」
トミイタの声が漏れる。
トミイタの予想がすべて外れた。
そんな風に状況が語っていた。
「悪いけれど、時間稼ぎに付き合ってください」
傲慢にも少女は言った。
「ふん。こっちは二桁いるんだぜ、すぐに終わらせてもらうぞ」
実力があろうと少女一人ではこの数は止められない。
早々に終わらせてもらおうとジチョウは言った。