魔力?
第四話?
夢じゃないなら、ここは異世界で俺は死んだのか。
携帯のロックって警察は開けられるのかな?身分証は持っていたから、家族には連絡が行くと思うけど、職場や知り合いに連絡して貰えるんだろうか?
シフトに穴開けちゃったな。
特に未練は無いけど、家族に携帯のアプリとか、履歴とか、あの画像や動画、漫画とか見られるのは辛いな…
あいつの結婚式に来なければ、こんな事にならなかったのにな…
………
………
………
うだうだ考えてもしょうが無い。切り替えよう。
まずどうする?
アパートに帰るか?
まって!財布!鍵!
慌てて鞄のポケットを探る。
有った。よかった落としてない。
ピンポン!ガシャ!「え?」
自動改札で止められた。
とりあえず、現金で切符を買って大手町駅まで行く。
ヤバい。鳥、動物の顔をした人に囲まれて冷や汗が止まらない。駅までの15分がメチャクチャ長い。
東京駅の自動販売機で新幹線の切符を買おうとして固まった。機械じゃなく俺が。
クレジットカードが使えない。
自動改札で止められた時から、なんとなくそんな気もしたが、あえて無視した現実?
携帯ダメ。クレジットカードがダメ。この異世界?に俺の口座もアパートも無いし、知り合いも居ない。
多分。このまま広島に戻っても生活は出来ない。仕事も無い。
どうするかな?現金は使えるが手持ちが少ない。
ネットカフェ?俺の身分証明書で登録出来るかな?……やってみるしかないか……
とりあえず東京駅周辺は料金高いし郊外に行こう。と、立川まで来て他より安いネットカフェに入る。
「会員証をお願いします。」
「すみません。初めてなんです。」
「では、会員登録をお願いします。身分証明書は何かお持ちですか?」
「!」
きたか。免許証使えるかな。
「免許証でいいですか?」
「はい、大丈夫です。こちらのカウンターでこの申し込み用紙に記入をしてください。」
猫のお姉さん?が笑顔で紙とボールペンを渡してくる。記入した用紙と免許証明書を渡してドキドキしながら待つ。1分程度で会員カードができあがりブースに入る。
「ハァ…」
一息つけた。
まずすることは、生活資金の調達方法を調べる。
……
次に魔力の使い方……
体の中を意識すると、お腹の中心辺りで何かが動く感じがある。多分、これが魔力。
神さま?にお願いしたのが確か『絶大な魔力』だった。ここが異世界?ならこの魔力の使い方をマスターしなきゃいけない。
でも使い方がわからない。ネットで調べても小説、漫画に出てくる呪文ばかり。試しに小声でつぶやいてみるが、何かが出来る気配がまるでない。
声が必要ならある程度大きな声じゃないとダメかな?
河原か公園、ある程度大きな声を出しても迷惑にならない広い所へ行こう。
ネットで見つけた呪文を、片っ端からコピーして昭和公園まで出かけた。
お昼を過ぎた事もあり、奥の方へ行くと人気が無くなった。
さあやるぞ!