夢落ち?
第二話?
眩しいのに周りが見えない。
痛みどころか感覚が何もない。
音も聞こえないし、声も出ない。いや、声は出ているけど聞こえないだけかも知れない。でも、やっぱり声が出ている感覚がない。
植物状態になったのか?
だったらこの思考はなんだ?
体のどこを損傷したらこうなるんだ?
治るのか?それとも夢?
「いいえ。あなたは死にました。」
!?
「もう一度言います。あなたは死にました。」
誰!?
「猫を助けようとして、転んだ所を車に轢かれてあなたは死にました。」
誰!?どうゆうこと!?
「あなたはの所為で車に轢かれそうになった猫を助けようとして、転んだ所を車に轢かれてあなたは死にました。」
………
「もう一度言いましょうか?」
惨めになるんでもう良いです。
「ご理解いただけて何よりです。」
理解はしたく無いです。
「もう一度言いましょうか?」
嫌がらせですか!?
「そんな事はしません。」
「余計な仕事が増えて少しイライラしてるだけです。」
八つ当たりですか!?
「それは正確ではありません。」
失礼しました。
「あなたが原因なので、因果応報といった方が正確です。」
………
「少しスッキリしました。」
………
「何か聞きたい事は有りますか?」
いったいどうなっているんだ?
「あなたは死にました。もう一度言いましょうか?」
もう十分です。
ここはどこですか?
「世界と世界の狭間。魂の通り道。新しい命へ生まれ変わる場所です。俗な言い方をすると、異世界転生の間です。」
マジッ!?
「マジ。」
………
「………」
つまり、チート能力が貰えるって事ですか?
「そうです。」
それは私が30過ぎても童貞だったからですか?
「あなたは素人童貞でしょう。」
………
「あなたが猫を助けようとして死んだからです。助けようと。」
………
どんなチート能力が貰えるんですか?
「大体どんな能力でも大丈夫です。」
マジ!?
「マジ。」
………
「………」
絶大な魔力がほしいです。
「そんなもので良いんですか?最近のトレンドでは無いと思いますが?」
トレンドですか……
「知識チートとか、スキルの組み合わせとかです。」
頭使うの苦手で……
「強力な剣や力は?」
体動かすの苦手で………
「………」
人とのコミュニケーションも特に苦手で……
……なんかすみません……
「……分かりました。魔力ですね。」
よろしくお願いします。
「(はぁ~。もう何でも良いか。)」
あれ?どうかしました?
「いえ。何でもありません。それでは逝ってらっしゃい。」
え?これでおしまいですか?次の世界の説明とかは?
「特にありません。さよなら。」
え?えぇ?えぇえ~!?
ピピッピピッピピピピピピピピ(いつものアラーム)
…頭が痛い。二日酔いか。酒残っているのヤバいな…
シャワー浴びて顔洗うか……てゆうか、布団硬い。昨日床で寝たのかな?……いや………………家に帰ったか?
……
……
「ヤバっ!」
俺は道路の上で飛び起きた。