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プロローグ
亡くなっていった方々へ。
私の外見を描写するつもりはない。何処にでもいる暗殺者、そう思ってもらえば結構だ。
私は中学二年生の女子で、今年の六月に転校してきたばかり。そして私はクラスメイトの女子に、こう話しかけていた。
「ねぇ、あんたさ。殺したい奴、いるでしょ」
私の笑顔を彼女は無言で受け止める。そして沈黙は、肯定を意味していた。
「それを尋ねるってことは、私に協力してくれる……そう考えていいかしら?」
「ええ、もちろん。だから詳しく話してよ。同じクラスの女子よね、あんたが殺したい奴って。そいつとの間に、何があったのか。そういう背景については、私は分からないから」
転校してきたばかりの私は、この学校で過去に何があったのか知らない。私に分かるのは、目の前の彼女が、特定の女子に殺意を抱いているということだけだ。そういう感情には人一倍、私は敏感なのだった。