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第6集 アマビエにご注意

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 「アマビエあります」街の食堂に張り出された電子広告に目を止め、店に入る。『いらっしゃいませ。当店、感染対策で只今テイクアウトのみの提供になります」接客ロボットが告げ、スマホをかざして決済する。スマホが震え、「アマビエ」のレシピがダウンロードされた。『プリントアウトは一回限りですので。またのご利用お待ちしています』恭しく頭を下げるロボットを後に店を出る。


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会社に戻り、食堂のプリンターで「アマビエ」をプリントする。「チーン」と音がして蓋を開けると、皿の上に、白い箱のような物がある。フォークとナイフまでセットされている。皿を取り出し、パーティションで仕切られた席に持っていく。10センチ四方の箱。白身魚のようでもあるし、鶏肉のよあでもある。パシャリ、と写真に収める。


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「アマビエ」にナイフを入れると、ピンクのソースが出でくる。断面は虹色の層、白い表層は白身魚と鶏肉をベースにしたパテ。ピンクのソースは赤ビーツか。スマホの画像分析でも虹色の断面は解析されず、いざ実食。口にした瞬間、断面は弾ける。視界が揺らぎ小波が見える。噛めば噛むほど、その幻影は濃くなり、パーティションの向こうに人影が映る…アマビエ?


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 会社の食堂で倒れていたらしい。医務室で栄養剤を打たれ、私は意識を取り戻す。産業医がカルテを打つ。

 「アマビエ?…あー最近流行ってますね。厄除け料理。…へぇ、アマビエ食べるのにハマってるんですか?本当だ、貴方のSNSアマビエばかり。だけど限度があるでしょ、感染不安のげん担ぎも行き過ぎれば不健康。要はバランスですよ」

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