表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/19

第3集 データ

#

 春のおふくろの味祭り、が老舗味噌メーカーの企画で開催された。新社会人を応援したいと始めたらしい。スマホで撮影した各家庭の味噌汁の作り方をクラウドにアップする。朝に夕にボタンを押せば、機械が懐かしい味にメーカーの味噌汁をカスタマイズする。開始から一週間、各方面で企画が炎上し、祭りは終わった。だが、クラウドには今も大量のおふくろの味が保存されている。


#

 社内のセクション毎にAIが導入された。上半身だけの人形が休憩場所にも設置された。人間の社員の表情も良くなったと好評価だ。AIが皆の愚痴を聴いているらしい。「貴方は頑張っていますよ」機械は最適な労いを話し相手に平等に与える。集められたデータが人事評価に影響していると、知る人はいない。


#

 フォログラムレストランと言うのが流行っている。店内を立体フォログラムで世界各国の絶景を写す。風光明媚な景色と共にランチが食べられるので、人気を博しているらしい。近くの店に行くと随分賑わっていた。しかし、視覚にインターフェースを入れていない近所のお婆さんが言うには「いつも空いているね」。客をフォログラムで水増していたとは。


#

『郷愁ドレッシングは懐かしい家庭の味を手軽に味わえます。我が社のクラウドにある各家庭のレシピを元に、最新AIが懐かしい味を抽出しました』味噌の販売コーナーの一角でロボットがドレッシングの試食を勧めて来た。レタスと一緒に食べる。「味がしないぞ」私が言うと『心の問題ですから』しれっと機械に心と言われるとは。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ