あか
三題噺もどきーじゅうよんこめ。
短いです。
お題:ポーチ・赤い鞄・口紅
薄暗い路地に、真っ赤なポーチが落ちていた。
いや、正確にはポーチそのものが赤いのではなく、赤い、何かによって、染められていた。
よく見れば、元の色が覗き、まだら模様のようになっている。
もう少し先に行くと、赤い鞄が落ちている。
その鞄は、先ほどのポーチよりも赤く染まっていた。
元の色など分からなくなるほどに。真っ赤に。
その先には、赤い線が乾いた絵の具で引いたように、掠れていた。
更に先へと、進む。
すると、そこには、真っ赤な口紅が。
真っ赤な海の中に沈んでいた。
その少し先に、同じ色の口紅が、見えた。
やけに、横に、長く、引かれていた。
その顔は―