第1話 生きる
続き物です。
よろしくお願いします。
変化は終わらない。
変形は世界が滅んでもなお続く。
変遷は止まらない。
この世に何かが存在し続ける限り、この世の存在を何かが認識し続ける限り、変化は永遠に存在し続ける。
ただ進み続ける嵐のように、ただ煮え続ける火山のように、ただ凍え続ける雪原のように、ただ過酷にあり続ける荒野のように、ただ育み続ける大地のように、ただ見守り続ける空海のように。
変化は決して抗うことのできない自然の摂理。
誰にでも分け隔てなく益か害か無意味を齎すことから、自然災害とでも言うべきなのだろうが、空気のように身近にあるのだから、自然現象とでも言う方が的確だろう。
そんな変化は一度の終焉程度では進み続けることを諦めない。
終わったのならばまた新しく始めるだけだ、とでも言うように原初を生み出す。
変化を求めて変化を齎す者が生み出したのは、自らが閉ざした世界。
全てを守り抜いて幸せを勝ち取るため──そんな理由で喰らい尽くした世界を、自分の手で再構築した。
その世界の再構築には神すら朽ち果てるほどの年月を必要とした。
生物の身体構造を理解して一から構成しなければならず、生物が保有していた知識や経験などの記憶を全て記憶した上で、生物が体験した死の記憶を取り除き、それを脳──魂へと入力する。
途方もない作業だが、今を生きている生物の完全なる蘇生だけでそれだ。
原始から存在し続けた世界の再構築となれば──それはもう大変だった。
固有能力【強奪】を使えば完全蘇生に必要とする時間は大幅に削ることができていたはずだが、自己中心的な理由によって奪ってしまった命である。一つ一つ丁寧に完全蘇生させていくのが、鏖殺者の誠意だった。
そうして終焉を迎える前と全く同じ形を成した世界が再誕生した。
世界を閉ざす者は、自身が完全蘇生させたその世界で、自分が勝ち得た幸せを謳歌していた。
愛する人達、家族、友達、知り合い、他人──人々の存在を身に染みるほど実感しながら、得難かった幸せの中で、幸せの輪郭を撫でながら生きている。その名が冠するように、久遠を生きている。
完全蘇生させたのに大きく変化してしまったこの世界で。
自然に溢れる今までの世界と、灰色が溢れる最初の世界に新たな予感を抱きながら。
前作は毎日更新でやってきましたが、今作は書き溜めが全く無いので二日に一度の更新とさせて頂きます。
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