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補習日登校のクソ

時は20xx年。

世界は核の炎に包まれて…いない。


稀代の天才「ナワケア・ルーカ」博士が発見した「ルーカス」という魂を実体化させる作用を持つ波長によって人類社会は大きな変化を迎えるのであった。…



日本 東京

塩野浩司は歩いていた

8月の終わり、朝7:00

制服姿の男は呟いた

浩司「あ゛つ゛い゛」

まだ気温は上がりきっていないがやはり夏、汗がにじむ

浩司「近道するか…」

そう言うと向きを変え、細い路地へと入っていった

路地を出るとビルの間に四方5メートルほどの空き地があった。

その中心に男は立つ。

男は右手で左手を覆うようにして左手の付け根を指先で触り両手で輪を作り腹部辺りに持っていく。

浩司「スゥーーーーーーーッ」

男は大きく息を吸い込み呼吸を止める。

浩司「…ぉぉぉぉぉぉぉ

俺は声を出し続ける。5秒ほど経つと男が青く色づき始める。正確には青い煙のようなものが男の全身から湧き出ておりそれが男を青く見せている。

10秒経つと男の体は殆ど見えないほど煙が発生している。

浩司「ぉぉぉ…スゥーーーーッ」

浩司「はぁぁぁぁぁぁ

男が息継ぎをし違う声を出し始めると今度は煙が時計回りに回り始めた。男の体は全く見えない。

男を包むほどしか無かった煙は次第に大きくなり半径2メートル高さ3メートルほどのドーム状になる。

浩司「ぁぁぁぁッ」

浩司「ハァ!!!」

男が大きな声で叫ぶと煙は吹き飛び男の姿がはっきりと見える。

全身真っ青であった。

髪から肌から服まで全て青である。白いシャツと黒のズボンであった男は目玉と白く見える歯だけを残して全てが青く変わっていた。

浩司「よし」

男は右足をあげると右斜め横に強く落とした。

次の瞬間男は五メートル程飛び上がっていた。

男が通ったであろう空間に青い煙が薄く残っており、

稲妻を描くようにビル郡の最上部を超え飛び上がっていく。

ある高さで向きを変え真横に稲妻を描いていった。


都立中央近場高校トリツチュウオウコンジョウコウコウ

通称 ドコンジョウ

学力 全国平均レベル

場所は東京湾に新たに作られた人工島。現在、東京の多くの私立高校がこの人工島に移設している。この高校は他私立高校よりも先に東京都が創設したため他の高校にはない校庭がある。


青い稲妻を描きながら塩野浩司は中央近場高校裏門付近へ高度を落としつつ接近する。

塩野浩司は校門10メートル北側の歩道に勢いを殺すでなく着地する。

低い姿勢になり横向きで校門方向へ靴で滑りながら減速していく。その際靴底が金属になっているのか足元から火花を散らす。

裏門少し手前で停止する。

塩野浩司は立ち上がった。

浩司「ふう、到着っと」

??「ふう、じゃねーよバカ」

浩司「ん?おはよ ハラショー」

ハラショーと呼ばれた男は裏門に肘を置き顔を肘に置き顔を真横にしてダルそうな顔をしていた。

ハラショー「翔悟って呼べよな原田翔悟、それからこの跡を消すの誰だと思ったんだよ」

そう言って原田翔悟は目玉だけ動かして塩野浩司が靴底で削った跡を見渡す。

浩司「頼むよハラショー今日のおかずは唐揚げだからさ?」

ハラショー「唐揚げか...今日はそれでよしとしといてやるよ」

顔を真横にしたままだった原田翔悟は裏門を飛び越える。

浩司「いつも、ありがとうございまーす」

塩野浩司は裏門に寄っ掛かり原田翔悟に手を振る。

ハラショー「ったく…」

ハラショー「ふんふんふんふん、ふんふんふんふん、

ふんふんふんふんふーん、ふふーん

原田翔悟はベートーベンの第九のような鼻歌を歌う。

原田翔悟の右の足元から白い煙が出てくる。

右足で塩野浩司が削った跡を周囲に散ったかけらを集めつつなぞっていく。すると巻き戻されるかのように削られた跡が修繕されていく。

ハラショー「ふんふんふんふん、ふーん、ふふーん」

全てが修繕されると原田翔悟は鼻歌をやめる。

浩司「さっすがハラショー!いつ見ても素晴らしいなぁ」

ハラショー「かけてんのか?」

浩司「いや?」

ハラショー「ならいいけどよ、唐揚げは二つな」

原田翔悟は身体を裏門の方に向け歩き出す。

浩司「えーー⁈いつもは一つじゃん!」

ハラショー「このクソアチー中直させたんだ、ひとつじゃ割に合わん」

浩司「それもそうか、」

ハラショー「さて、先生方にバレないようにサッサと中入ろうぜ。暑くてかなわん」

浩司「そうだ!、俺まだ色残ってるし教室まで飛んでやろうか?」

ハラショー「やめとけ、大体俺はどう済んだよもう色ねーぞ」

浩司「お姫様抱っこで抱える」

原田翔悟は一瞬塩野浩司にお姫様抱っこされて飛んでいく姿を想像する。

ハラショー「おえ、その案は却下だ」

ハラショー「それにお前色薄すぎるだろちょっとこれ飛び越えてみろよ」

ちょうど裏門前まで歩いてきた原田翔悟は門を指差す。

浩司「なんでだよ」

塩野浩司はちょっと何言ってるのかわからないといった顔をする。

ハラショー「いいから」

浩司「まあいいけどさ」

浩司「は!」

塩野浩司は右足で地面を蹴る。体が高さ1メートルの裏門を飛び越え着地する。

ハラショー「色残ってるか?」

塩野浩司は自分の体を見る。

浩司「あー、残っておりませんな」

ハラショー「だろ?教室までなんて無茶だったんだ…よっと」

喋りながら原田翔悟は裏門を片手で飛び越える。

浩司「いやー、怪我するところだったわあぶね」

ハラショー「それは俺も含まれるんだがな」

浩司「申し訳ない!」

ハラショー「はいよ」

浩司「じゃあ気を取り直して、今日も元気に補習だな!」

ハラショー「あぁ」

2人は教室へ向かって行った。







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