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これで解決!ヘタレイケメンの治し方  作者: 奈瀬朋樹
ダージリン
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30話 浮気疑惑

木葉さんと並んでの登校に緊張したけど、上手くやれたと思う。僕に話し掛けてくる女の子はみんな積極的・オーバーリアクションで、よく体を触ってくるけど今回はそれがなくて、話し易かったのが原因かな?


だけど周りの視線はいつも以上にピリピリで、息苦しくて、いつもなら逃げていたけど、今回は逃げたくない。真守の為に頑張らないと。


そんな騒がしい登校が終わってクラスに入ると、藤田君が真守に駆け寄って来る。


「おいおい市ヶ谷、おめー大丈夫か?」

「ああー。正直困ってるかな」


「もしかしてこれ、俺のせいだったりする?」


〝これ〟とはあの3枚の写真で、藤田君が気まずそうに頭をかいたけど、真守は怒る素振りを全く見せずに


「藤田は悪くない。これは事故みたいなものだから」

「いや、だけどよー、これってマズくね? お前学校中に〝合コン三昧ラブホ野郎〟って思われてるぜ」


藤田君の言う通り、真守の悪評は同学年の女子だけじゃなく、全校生徒に知れ渡ってしまった。


だけどこれは犯人ではなく、真守の仕業なのだ。



(ねぇ真守、これで本当に大丈夫なの?)

(問題ない。大輔もよろしく頼むな)

(う、うん。分かった)



耳打ちで確認をして、やっぱり不安が消えないけど、真守を信じよう。

だって真守は、僕の大切な親友だから。


「じゃあ藤田、もし俺の悪評を信じている奴がいたら、誤解だって説明してくれない?」


真守がお願いした後、僕も勇気を出して前に出てから



「ふ、藤田君。僕からも一生のお願い! 真守は無実だからっ!」



ううっ、声が裏返ってしまった。恥ずかしい。

そんな情けない主張に、恥ずかしくて下げた頭を上げられずにいたら、


「分かった。イケメンの頼みは断れねーし、俺も合コンで一生のお願いしたからな。それに佐藤がいなかったら藍と出会えなかったし、まかせとけ!」


「ありがとう藤田君!」


良かった。上手くいった。

これで一安心と思ったけど、藤田君は引き下がらずにそのまま真守に詰め寄って。


「でた。ぶっちゃけこっちが本題だが、市ヶ谷、何で木葉さんと一緒に勉強してんの? しかも今もお前の傍にいるし、まさか一緒に登校したのか?」


この問いに、真守が気まずそうに視線を逸らして


「まぁ、木葉さんとは勉強仲間で、今日は一緒に登校してきた」


「浮気かこの野郎! 藍にチクって七瀬さんにバラすぞゴラァ!」

「何新たな誤解作ってんの!? 七瀬とは友達関係だ!」


「七瀬!? てめーもう呼び捨てか!」

「さん付けは他人行儀だから辞めろって本人からの要望で、てゆーか藤田は神岸さんを藍って呼んでるじゃねーか!」


2人が騒ぎ出してワタワタしていたら、ずっと僕達を見ていた女子グループ内から、クラス委員長になった折本さんが僕にこう尋ねてきた。


「ねぇ佐藤君、今も話していた変な噂について、聞いてもいい?」


真守の言う通り、本当に聞かれてしまった。

自分から女の子に話すのは苦手だけど、今だけは頑張らないと。


僕の役目は、真守の無実を説明することだから。


「その、合コンは藤田君に誘われて、男だけのカラオケだったのに変わって、でも相手は藤田君と同じ中学の人達で……」


うう、焦って会話が纏まらない。


ただでさえ僕は会話が下手で、特に女の子とは色々あったせいで心臓ばっくばくだよ。他の人はどうやって女の子と話しているのかな? 適当に頷いただけでデートが決定したり、体をペタペタと触ってきたり、急に抱き付いてきたりでもう難し過ぎるよ!


他の男子はこういうトラブルはないみたいだし、是非コツを教えてほしいよ。


「つまり、合コンのエサにされたの?」


「そ、そうだよ! 真守の写真も、もう9時で遅いから帰ろうって言ったのに、もっと遊ぼうって誘われて、この写真もちょっと前まで僕がこうなっていたから!」


「あー、成程ね。確かに佐藤君は市ヶ谷君と仲いいからね。じゃあこのタクシー女は?」


「この人は真守の親戚で、子供の夜遊びはもう終わりって連行されちゃったの。本当だよ!」


「確かに筋は通っているけど、うーん……………」


どうしよう、全然納得してない。

だけどどうすればいいか分からずにいると、折本さんが迫ってきてから小声で。


「あとこれは正直に答えてほしいんだけど、佐藤君は木葉さんと、ぶっちゃけどうなの?」


「えっ? 木葉さんとは今日初めて話しただけで」

「でも、一緒に登校してきたよね?」

「そうだけど、あれは……」


予想外の質問に頭がもう真っ白で、真守に助けを求めようとしたら。


「私と優奈は市ヶ谷の件で一緒にいる。悪評の汚名を晴らすのが目的」


大月さんと木葉さんが来てくれて助かったけど、大月さんは中学で2年間も同じクラスだったのに全然話した事がなくて、正直どう接していいのか分からない。だけどそんな僕の心配とは裏腹に、話がどんどん進んじゃっている。


「へぇー、じゃあ佐藤君とは何もないの?」


「ない。むしろ騒がれたくなかったから佐藤とは他人でいたかった、市ヶ谷はただの勉強仲間。そもそも優奈は市ヶ谷と仲良し。昨日は優奈から市ヶ谷に抱き付いた」


そうなのっ!?

やっぱり真守は凄い!


今度女の子の話し方ついて教えてもらおう。


「恥ずかしいよ伊万里ちゃん。確かにその通りだけど、あれは…」

「とにかく私達は被害者、欲しいのは佐藤より平穏」


「………ふぅん。まぁ、そういう事にしておきましょう」


折本さんがこう答えてから、2人が含みのある笑顔を交わした。

女の子の仲直り?って独特だなぁ。


「じゃあこの悪評について話している人がいたら、誤解って説明しておくから」

「本当⁉ ありがとう折本さん!」

「これでも一応、委員長だからね」


とにかく上手くいって良かった! 今までは僕1人であたふたしているうちに問題が悪化して、美緒に相談する事しかできなかったのに、こんなのは初めてだ。


「ありがとう折本さん。大月さん、木葉さんも、みんなありがとう」


みんなにお礼を言って、これでもう大丈夫…………………………、だけど何故か折本さんが僕の腕に抱き付いている。


「だけど佐藤君、合コンOKならクラスの女子とも仲良くしてほしいなー」


「えっ、ええっと。それは……」


「だね。佐藤は壁を作り過ぎ。今のうちに女子に慣れるべき」

「友達が多いのはイイ事だよ。佐藤君」


「ええっ!? そんなぁ」


さっき僕を助けてくれた大月さんと木葉さんに見捨てられちゃったよ!

やっぱり女の子って全然分からない!


「大丈夫。佐藤君の性格は市ヶ谷君から教わっているし、ちゃーんと弁えるから」


そ、それなら大丈夫……なのかな?

それに折本さんはクラス委員長で、仲良くするのは変な事じゃないし、だったら……



「何をしているの? 兄さん」



「あ、美緒」

「あら、あなたは確か…」


「佐藤大輔の妹、C組の美緒です。よろしく、A組クラス委員長の〝折本利奈(りな)〟さん」


「こちらこそ……って、何で名前まで?」

「風の噂でね。でもあなたはそれ以上仲良くしていいの? 年上の彼氏がいるのに」


「えっ⁉ ……………いや、それは。って何で⁉ 誰にも言ってない筈なのに!」

「風の噂で聞いただけよ。だけどもし本当なら、兄さんとは節度ある仲をご所望よね? もし大学生の彼氏に知ら…」


「わーわーわーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


美緒の台詞を遮り、折本さんが叫んでから頭を下げてきた。


「分かった! 分かったからそれ以上言わないで! お願いだから!」

「そう。あなたが利口で助かるわ。あと噂が誤解って件も忘れないでね」


「了解! じゃ、じゃあね!」


そして折本さんがそそくさと撤退しちゃったけど、今のは和解でいいのかな?


「流石は佐藤妹」

「美緒ちゃんは凄いです」


そんな大月・木葉さんの感想に、美緒が溜息を出してくる。


「木葉さん。確かに好きに呼べとは言ったけど、ちゃん付けってどうなの?」


「えー、美緒ちゃんはとっても可愛いからピッタリだよ。伊万里ちゃんもそう呼ぼうよ」

「それはちょっと……。せめて美緒っちの方が」

「大月さん、それも大概よ」


そんな女子3人の雑談が始まり、そしてその横では


「おい市ヶ谷、てめー佐藤妹にまで手ぇ出したのか!?」

「出してない! むしろ手や肘がめり込んで失神しまくりだから!」


「ふ、藤田君。真守は悪くないから」


と、とにかく僕は真守の見方だ!

これだけは揺るがない事実で、約束だから。

それにこんな状況だけど、何だかとっても楽しいな。

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