23話 モーニングネグリジェ
全身を包み込むフカフカっぷりと、直にお腹を撫でられる感触で意識が覚醒していくと、ネグリジェ姿の美緒が四つん這い姿勢で俺のお腹を撫でている。
「何この状況!? ってイタタタタタ」
知らないベッドでパンツ一丁、しかも脇腹が痛過ぎて動けないんですけど!
「脇腹に痣はないけど、痛みは残っているみたいね。……………ふっ、しょぼい腹筋」
「脱がされた挙句、なんちゅー捨て台詞!」
女の子に裸見られた挙句に失笑とか心折れるわ!
涙腺緩んじゃったよ!
「え~、そうかしら? 真守君は充分細いじゃない。それに美緒は胸がしょぼいじゃないの。私の娘なのに、どうしてそんな残念なのかしらね~」
「彩さん? じゃあココは佐藤家な……………」
スケスケの黒ネグリジェで下着丸見えという青少年には刺激が強すぎる格好に、思わず息を呑んでしまった。美緒も同じくネグリジェなのだが、ピンクの可愛いヒラヒラでスケスケ成分も0の健全なものだ。
てゆーか彩さん、そのブラジャー小さくないですか?
こうボボーン!って感じで全然収まってなくて、それとも巨乳の下着はみんなこうなの? 知らない世界だから全然分からん。
「ふんっ、兄さんのと比べれば一目瞭然。全然硬くなかった」
「美緒~、大輔を基準にしたら可哀相よ。あれはカッチガチで逞し過ぎじゃない」
彩さんの言う通りだ。
体育の着替えでお披露目された時、クラス男子全員がひれ伏した代物だぞ。
って大輔の腹筋はどうでもいい。確かさっきまで合コンをしていた筈で、田中田さんに拉致られそうになったら、謎の美人が……………
「美緒、お前に肘鉄されてからの記憶がないんだけど、あの後どうなったの?」
「兄さんをタクシーに乗せて、ついでに体調不良で倒れたあなたも後部座席に放り込んで帰宅したわ。そして気絶から全然目覚める気配がなかったら、仕方なく引き取ってココに寝かせた。以上よ」
「あれの何処が体調不良? 完全に肘鉄だったよね?」
「心配無用、ちゃんと死角から打ち込んだから。3人には急にあなたが倒れた様に見える様にと気を使ったから」
嫌な気遣いだ。
だがこれ以上の追及は絶対に駄目だと俺の脇腹が疼きっぱなしだから、話を進めよう。
「じゃあ何で変装? 全然分からなかったぞ」
「うふふ、それってこれの事?」
ショートのウィッグ・昨日見た黒のブラウスとタオル3つ(偽乳)を、彩さんが得意気に見せてくる。
「合コン連絡があった後、美緒が監視に行くって言うから私が変装させてみたの~。真守君の反応から察するに、彩さん渾身のメイクは完璧だったって事ね~」
そういえばファミレスにいる時に美緒から電話があったけど、あれは俺達が店内の何処にいるのかを調べる探りだったのか。
「それで大輔にはどう説明したんだよ」
「兄さんは私の正体に気付かなかったから、そのままあなたの知人で通したわ。家まで送ると言ってタクシーに乗せて、兄さんが運転手に住所を伝えて移動、到着した時に目覚めないから泊めてあげてと伝えて私は退散。その数分後にこっそり帰宅した」
大輔の奴、妹の変装なら見破れよ。
だけどこれで状況が分かった。
強引な手段を取ってきたとはいえ、田中田さんには悪かったかな?
あと七瀬さんにも連絡しておかな……っぐえ!
「今度はあなたが説明する番。合コンで何があったか全て白状なさい」
「彩さんも気になるな~。最近の合コンがどうなのか知りたいわ~」
これなんて拷問?
美緒に首を掴まれ、強引に押し倒される。
薄着の女性達に迫られるとか、意味分かんないんですけど。
「てゆーか、何で俺パンツ一丁なの?」
「私が脱がせたの~。制服のまま寝かせたらシワになっちゃうじゃない。うふふ、若い子を脱がせるって興奮するわね~。最後の1枚もつい脱がそうとしちゃったわよ~」
「満面の笑みで何言ってるんですか!」
下ネタを恥じらわずにサラッと言ってくる辺り、流石は大人だ。こっちは彩さんのエロネグリジェから視線を逸らし難い……って苦しい苦しい!
「話題を逸らさない。こっちを見なさい。ジムで鍛えているから、リンゴを握り潰せる程度の握力(約80kg)があるけど、あなたの首で試していい?」
命の危険を感じたので即座に掴まれた首を左右に振って美緒を見たのだが、いま俺は四つん這いで迫られて美緒を見上げる体勢だから、ネグリジェ姿というラフな格好のせいでパックリと開かれている、ささやかな胸元に視線が…
ゴッッッ!!!!
「っっ‼ ………ッ……ッッ、………………………………」
視線に気付いた美緒が肘鉄を振り落とし、回復してない脇腹からの激痛、しかも首を絞められ中だったせいで悲鳴すら出せず、そのまま意識を消失。それから程なくして意識が戻った後、土下座姿勢で全て白状しました。




