第1話 女神の娘に転生
書き溜めした物です。
『お〜よしよし』
ん?なんだ、一体誰の声だ?
『いい子ですね〜』
いい子ですね〜って、俺はもう28歳の三十路手前なんだが……。
『今日はなんだか不機嫌ね〜?どうちまちたか〜?』
何故に赤ちゃん言葉!?
驚きの余り俺は目を開ける。
すると其処には、女神様。
なぜ女神様だと思ったか?それは背から神々しい光・・・後光らしきものが、これでもかというほどさしていたから。
どうやらこの人が俺の事を抱っこしながらあやしていたようだ。
『本当に可愛い私の子、◼◼◼』
◼◼◼?それって俺の事か?
てかそんな事より子ってどういう事だ!?
それに俺は確か仕事詰めすぎて過労死した筈では?
『本当に、本当に可愛い◼◼◼………うっ、ううぅッ!』
今度は泣き出した!?情緒不安定?一体なんだって……。
あと、くっつきすぎて息がッ!
『うぅッ………あら……◼◼◼、心配してくれるの?』
いや、まぁ確かに心配したけど………主に抱き締めるのに力が入りすぎていて潰れかけていた俺の体を。
『そうよね、これから貴方はもっと辛い目にあうかもしれないのですものね。母親の私がもっとしっかりしなくては………グスッ』
待って欲しい、状況をもう少し詳しく教えてもらいたい、特にその俺が辛い目に遭うって部分を!!
『これは貴女に与えられた使命……試練といった方がいいですね。今地上の生物は滅亡の危機に瀕している、それを救う為に地上へ干渉出来るのは産まれたばかりの貴女しかいないのです』
生物の滅亡って、それを俺にどうしろと……。
『ですが安心して下さい、女神の子として産まれた貴女の肉体は地上では普通の子供達よりも強いものとなるでしょう。……制限はかかりますが』
あ、やっぱり女神様だったんだ。
状況から察するに俺・・・今、乳児?なんで目が見えてるんだ?
いや、それはおいといて地上に転生って何?此処は何処?せめて俺が喋れるようになるまで待ってもらえないですか!?
『あぁ愛しい我が子◼◼◼。貴女には女神の加護がついています。母は貴女の事を天から見守っていますよ』
ちょ、ま、待って!
話を聞いて!?いや喋れないみたいだけどさ!?
その言葉を境に、俺の思考は再びブラックアウトするのだった。