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第0話 ブラックアウト

他の作品書き終わってないのに手を出してしまいました。不定期で更新していきますが宜しくお願いします。


 眠い・・・。

 それが5日間徹夜した俺に許されるただ一つの思考だった。

 


 俺の名前は風見廻(かざみめぐる)。職業フリーのイラストレーター、28歳。

 彼女いない歴=年齢であり、魔法使い寸前の男である。

 イラストレーターと言っても特に人気があるわけでもなく、普段はそこまで忙しい人間ではない。

 そんな俺が何故5徹する羽目になったのかというと・・・あれはそう、1週間前の事だった。


 

「ふぁ〜、ねむ……」


 朝起きたらそう言いながらPCを立ちあげるのが日課になって早数年。

 毎日仕事の依頼が来ていないかメール→Twit〇er→ブログと見て回るまでが朝のアクションになっていた。

 そしてPCを立ちあげるとメールに一件の通知の表示がされていた。

 迷惑メールか?、と思いながらそのメールを開く。

 するとそこには仕事の依頼とその内容が書かれていた。

 最近仕事が無く、貯金の残金が少なくなってきた俺はその仕事に飛びついた。


「よっし!仕事だ」


 そう言ってイラストを描くことに集中する事約1時間、俺にしては珍しくさらにもう1件仕事の依頼が入った。

 これは有難い、とその仕事も受けた。

 今思えば欲張らずにここら辺で止めておけば良かったのだ・・・しかしこれは仕方の無い事だろう。

 この頃の俺はまさかこんなに立て続けに仕事の依頼が来るとは思わなかったのだから。


 2件目の依頼メールが来てから10分後、また仕事の依頼が来たのだ。

 こちらは、比較的早急にお願いしたいとの事だったのだが締切まで1週間ほどあった為、まぁいけるだろ、と軽い気持ちで引き受けたのだ。


 そして俺は1件目の依頼を速やかかつ丁寧に終わらせると、2件目の仕事に入る。

 そして2件目の仕事内容が殆ど終わった時、1件目の依頼者から内容の変更を頼まれた。

 「マジかよ!?」と思いつつも仕方なく了承したのだが、この時点で依頼を受けてから3日経っていた。


「不味い……このままだと全然間に合ないぞ」


 ここからが地獄の始まりだった。

 内容が変更された仕事を2徹して終わらせると、休む暇もなく3件目に取り掛かる。

 1週間が期限だったのでそれまでには必ず終わらせなければならない。

 何故なら締切は絶対に守る、どんなに焦っていても絶対に手を抜かない、最後まで粘りずよく、それがこの俺の数少ない長所なのだ。

 それにこの業界、信頼が第1で、仕事が貰えなくなるかもと思うと文字通り必死だ。



 そして現在、水分以外は摂取する暇すら惜しいと働き続け、その甲斐あって何とか期限に間に合わせることが出来た。


「し、死ぬ。しかし寝る前に何か食べなくては・・・本当に逝ってしまう」


 全身の気力を振り絞った俺は何か食べようと椅子から立ち上がった・・・つもりだったのだが、著しい栄養不足と睡眠不足により、足元から崩れ落ちる。


(や、やばい・・・このまま目を瞑ったら・・・冗談抜きで死ぬ!!)


 しかし必死な足掻きも無駄に終わり、自然と瞼が閉じていく。

 そして完全に目が閉じられると同時に、脚の先から力が抜けていく。


(あぁ………やっぱ無茶し過ぎた。でも依頼は完了したし、満足、かな……)


 それを最期に、俺の思考はブラックアウトした。

 そう、この俺風見廻の人生はこの時を以て幕を閉じたのであった。



誤字多いかもしれません。

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