Page04 † 桃
綾「あ…れ…???
桃は?!」
どこを見渡しても桃はいなかった。
学「!!
オイオイ…嘘だろ…こんな時に…!!」
ショックで桃のママはその場に座り込んでしまう。
綾「私探してくる!!」
そういって私は桃を探しに外へ出た。
アレがそこら辺にいるのに…私は桃のことで頭がいっぱいで周りが見えていなかった。
学「待てよ!!」
学もそう言って私を追いかけてきた。
綾「っ…桃…………」
私は温泉施設に向かう前に通った道を戻りながら必死に桃を探した。
半分ほど戻ってきたその時…
?「キャ――――――――――――――!!!!!!!!!」
綾「っ!!
まさか…」
学「オイ…綾…今の声まさか…」
綾「行ってみよう…」
さっきの叫び声は確かに桃のものだと私は感じた。
でもそれを信じたくなかった。
“桃はまだ生きている。”
そう思って必死で叫び声のした方に向かって走った。
綾「ハァ…ハァ…
っ…桃…?????」
学「…どこにいるんだよ―――…」
私たちはただひたすら走った。
桃が生きていることを願って…。
温泉施設からキャンプ場に続く坂道の手前まで来たとき…
学「オイ…綾…あれは―――…」
綾「!! 桃?!?!?!?!」
私たちが見たのは必死になってこっちに向かって走ってくる桃の姿だった。