~ 真夜中 の 徘徊 ~
「あぁ~ ! 医師 みぃ~つけたぁ~ やっぱりぃ~ 赤い糸なんだぁ~ 」
真夜中に 真っ黒なワンボックス カー の中から
裏野ハイツの階段を上る こずえを 舌舐めずりしながら見つめる 不気味な男 …
そう …
その男は 紛れもなく
こずえ を 襲った ストーカー男 だった …
此の男にとって 真夜中の徘徊とも言うべき ドライブは
習慣であり 特別 何かがあったからと言う 訳では無かった …
今夜 裏野ハイツの 前を偶然に通り掛かった 男 は …
ニヤニヤ と 嫌な笑みを浮かべ…
じぃ~っ と こずえ が 向かう アパートの部屋を 見つめていた …
こずえ の 姿が部屋の中に消えると
男は車を ゆっくり と 走らせた …
男の車が 動きだすと …
卵形の石から ボワァ~っと …
炎が 燃え上がるような
真っ赤な煙が 立ち昇った …
男 は 裏野ハイツの横の道路を 直進し 直ぐ先の 信号を右折した
右手に見える コインパーキングに車を止めると
ニタニタと 薄気味悪い 笑みを浮かべ
後部座席から 目だし帽 ・ スタンガン ・ロープ ・ 女性用パンティ ストッキングを スポーツバックに 入れ 肩に掛けた …
其から …
怪しく光る サバイバル ナイフの刃をペロッと 一舐めし
ニタァ~っと笑うと …
サバイバル ナイフ を カーゴパンツの右ポケットに入れた …
「医師 ~ 今 行くよ ~ ♪」
と 上機嫌で 裏野ハイツに向かい 足早に歩き始めた …
ハァ … ハ ァ … ハ ァ …
ストーカー男が 裏野ハイツに 近づくにつれ
空気が 薄まっているような …
奇妙 な 息苦しさを感じた …
「あれぇ? 何か 躰が変だぞぉ … クラクラするぅ … 」
ハァ ハァ ハァ ハァ ッ !!
男は必至に 息を吸おうとするのだが …
ゴホッ ! ゴホッ ゴホッ !!
息を吸おうと すればする程 首を絞め上げられているように 苦しさが増す …
ゴボッ ! ヒィ ハァ ~ ! ヒィ ハァ ~!
男 の 目の前に 暗闇が拡がり …
「もっ ヒィ ハァ ! ダメ ッ ! ヒィッ!ヒィッ ! しっ ヒィッ ! 死 ぬ ぅ !!ハァハァハァハァハァ !」
バ ッ タ ー ン !!
男 は 意識を失い 歩道に倒れた …
意識を失った筈の 男の耳に …
オ 前 ハ 死 ネ ッ …
躰中の毛が 逆立つ程の 恐ろしい 声と …
心臓を ギュゥ!っと 握り潰されるような 激しい痛みが 全身を走り
「ギ ュ ウ ェ ェ ー!! ゴボッゴボッ!」
奇声 と 泡 を 吹き出し 躰を痙攣させ た …




