~ 届けられた D V D ~
「嫌っ ! 嫌ぁ-!! こっ … コレっ … 私の 部屋っ … 」
大学病院勤務医である
瀬川 こずえ の 勤め先に …
1枚の DVD が バイク便で 届けられた …
送り主名は無く …
貴方のファンより …
と 其だけ 書かれていた …
多少 違和感を感じはしたものの …
医師と言う忙しい職業につき 況してや 今は 勤務中 …
然程 詮索せずに 後回しにしようと …
DVDをバックに ポンと入れ 診察室へと戻った …
日々 訪れる 沢山の患者を治療し 励ます事も 医師の使命であると …
彼女は 献身的に 訪れた患者の 対応をしていた…
其の日の勤務を終え 帰宅すると …
「明日から 3日間休みだわぁ … あぁ 疲れちゃった ~ 」
と ソファーに ゴロリと 横になった
「あっ … そう言えば … 」
と 彼女は バックの中の DVD を 取り出すと送り主を もう一度 確認し
「誰だろ? 」
と 首を傾げ DVD プレーヤーにセットした
ソファー に戻り 再生ボタンを押し TV画面を 見つめる …
TV 画面に 映るのは …
見覚えのある マンションの ドア …
ドアが 開かれ …
誰かが進む 足取り通りに 映し出された 室内は …
何れも 見覚えのある物ばかりだった …
「いっ … 嫌っ! 何 コレ … 」
誰かが 自分の部屋に 侵入し …
冷蔵庫 を 開け …
彼女の飲みかけの ジュースを少しだけ飲み 再び元通りの場所へ戻し …
其から 誰かは ベッドに 横になっているのか …
こずえ の ベッドの上の天井や…
ベッド周りの 室内が 映された …
笑い声もせず 只 楽しんでいるように …
そして…
赤い文字が 画面に浮かび上がり …
医師 …
僕の想いに 気づいて下さい …
赤い文字は …
血液が 滴り落ちるかのように …
TV画面の下へと 伸びた …
こずえ は …
「嫌っ! 嫌ぁ-!! こっ … コレ っ … 私の部屋 …」
と 両手で 顔を覆った …
ガタガタと 躰は 震えだし …
こずえ は 恐る恐る ゆっくりと 室内を見渡した …
人 の 気配はしない …
こずえ は ベッドの奥にある クローゼットへと 震える足取りで向かい
ガバッ! とクローゼットを開けてスーツケースを取り出すと
慌てて 下着や衣類等を詰め込んだ …
其から プレーヤー から DVD を抜き出すとケースに入れ バイク便で 届けられた時に入っていた 梱包袋に入れ
マンション を 逃げるように 飛び出した …
マンション から 駅迄は 徒歩で五分弱 …
こずえ は 駅の横にある 交番を目指して スーツケースを引きずり 走り出し
息を切らせながら 交番に駆け込んだ …
警察官の対応は とても親切で
二駅先の 警察署に行けば 被害届けを提出できると
警察署の地図を添え 教えてくれた …
終電 間近の電車に駆け込み …
こずえ は 二駅先の 日の出駅を 目指した …
電車を降りると 疲れがどっと こずえ を 襲った …
「警察署は 明日行く事にして 何処でもいいから … 躰を休めたい …」
と こずえ は 駅の外に立ち 知らない街を 見渡した
ビジネス ホテル planet …
と書かれた看板が 目に留まり
こずえ は ホテルに向かい 歩きだした …
受付で チェックインを済ませ ホテルの部屋に荷物を降ろすと
こずえ は 疲れ果ててしまったのか
ベッドに倒れ込み 眠ってしまった …




