設定集:1
この小説は、あくまで銃器を用いたスポーツを行う少年少女達に焦点を当てたものなので、血みどろのバイオレンスな展開は在りません。多分、きっと。
そして作者自身、ミリタリーは素人である為、所々詰めの甘い物や可笑しな物があるかも知れません。その場合は、どうぞ気軽にアドバイスを下さい。
『適性銃器』
人間の人体から産み出された銃器。
既存の銃器と比して遜色は無いが、この銃器での攻撃は人体を傷付ける事が出来ない。しかし、衝撃等のダメージはある上、急所を撃てば殺害する事は出来無いが気絶させることは出来る。
また、銃弾を無限に産み出す事が出来るが、あまり造りすぎると精神に不可がかかり、最悪の場合はノイローゼにまで追い込まれてしまう危険性を孕む。
科学とは全く別の技術であるが、全容は明かされていない。人体への影響は無いが、十五歳から二十五歳までの若者にしか適用されないという。
基本的に銃器は一人に一つ、ランダムで選ばれるが、何故か男性より女性の方が高性能な物を産み出す事が出来る。男性も性能の良い物を産み出すことは出来るが、その場合、西暦一九八十年より以前の物となる。
基本的に他人が産み出した銃器は扱えないが、触れる事は可能。それでも鈍器として扱う事すら出来ない。
『銃器高等学校』
『適性銃器』保持者を教育する学校機関。
軍隊で言うところの士官学校とは異なり、戦闘技術等は一応カリキュラムにはあるが、本格的な戦闘訓練の指導は行っていない。
銃器の扱い、また銃器とはどういうものかを教える学校である。
基本的に三年制で、卒業後は『銃器大学』へエスカレーター式に進学するか、士官学校か警察学校のどれかを選び入学することとなる。就職にはあまり力を入れていない。
入学式前日に『適性銃器』の施術が行われるのだが、何故か同じ学校内で全く同じ銃器を持つ生徒は現れない。
例えば、『コルト M4 カービン』を『適性銃器』とする生徒が三学年の中に一人でも居れば、同じ『M4カービン』でも『M4A1』になったりする。
『全国銃器高校対抗戦』
その名の通り日本全土の銃器高校が集い、模擬戦方式で戦闘を行う大会のこと。試合はトーナメント形式で行われる。
ルールは複数あり、殲滅戦やフラッグ戦等、試合によって異なる。
出場人数に制限は無く、一人から百人以上有効。が、流石に一人で出場させる学校は無い。
大抵は少なくとも一個小隊規模で出場させる。
『QPS』
Quantization Powered Suitの略称。量子強化外骨格の意味。
簡単に説明すれば、量子変換されたパワードスーツのこと。専用の端末に納める事で、平常時は簡単に持ち運びが可能。有事の際にコンマ五秒で展開する事が出来る。
パワードスーツ自体は簡素なもので、アサルトスーツの繊維の間に極細の電子回路を編み込んだ造りとなっている。その為、スーツ自体が重量過多となることは無い上、全身に隈無くスーツの恩恵を与える事が出来る。服の破損はシールドにより守られているので心配は要らない。素材自体も堅牢なものとなっており、枝に引っ掻けた程度では傷も付かない程で、多少ぞんざいに扱っても問題は無い。
その反面、もしも破損した場合は回路が極細故に修復が困難で、専門の技士であっても完全修復は不可能とされている。それ故、潤沢な資金のある組織では“使い捨て”として扱っている傾向がある。
スーツにはオプションや電子的なチェーンをすることで暴徒鎮圧用や軽歩兵用等、用途によって分ける事が出来、それぞれ専用の特殊能力を発揮する事が出来る。
性能的には申し分無いのだが、量子化技術はまだ研究段階であり、一つのスーツと武装を納めるだけで端末の容量が一杯になってしまう。最近は改善されたようだが、まだまだ技術進歩が期待できる。
『エネルギーシールド』
絶対防御とも呼ばれている。
『QPS』に張り巡らされている電磁シールドで、展開時に自動で発生する。
基本的にどんな攻撃も防ぐが、衝撃までは完全に防ぐ事が出来ず、もしも戦車の主砲並の砲弾等を真っ向から受けた場合は内蔵が潰れ死に至る。
シールド自体はかなり使い勝手が良く、例えば光学迷彩を上乗せすることで効率良く姿を消す事が可能など、色々と応用が利く。
対抗戦等では勝敗の判定に利用されている。
表記はパーセント。
能力等の問題から、防御力はスーツによって異なる。
『Mk.08 Storm rifle』
・全長:950mm
・重量:8.5Kg
・口径:6.5mm
・使用弾:6.5mm Ele弾
・総弾数:30発
・発射形式:F/3/S
・有効射程:650m(出力による)
ブルパップ式電磁突撃銃。
量子化に適した突撃銃として軍の開発部が開発した物を、民間企業がクローンとして販売している物。
特に“Mk.08”は非殺傷性のアサルトライフルとしては他のシリーズに比べてエネルギー効率の良い優秀なライフルで、主に対抗戦や警察機関が使用している。民間人への誤射が起こり得る場所では、軍でも使用されている。
エネルギー弾をドライブさせる為にどうしても重量が嵩み軽機関銃程にまでなってしまった。しかし、パワードスーツにより強化された筋力のお陰で、大したハンディキャップにはならない。反動も小さく、人によっては片手でも扱うことも出来る。
モジュール式であり、他にもPDWモデルやLMGモデル等も存在する。
弾丸が電気の塊であるため、距離が開くとエネルギーが減衰し最後には消滅する。他にも大気の影響を受けやすく、減衰率は場所によって全く異なる。故に射程距離は長くとも長距離射撃には向かないとされている。
環境には優しいと謳い文句がある。
『バリアブルグレネード』
こちらも量子化に適した電磁グレネードで、様々な用途を使い分ける事が出来る。
主に“EMP”“フラッシュ”“ハンター”“プラズマ”の四種類である。
複数の能力が混在する故か、単一の能力を持つグレネードには劣る。
次回より、主人公の友恵ちゃんが登場します。
とても繊細で内向的な娘なので、優しく見守ってあげて下さい。