日記/奄美のリアル事件簿 『仔猫の遺骸』
彼岸の三連休が終わった昨日・9月24日、宮城県の遺跡事務所で、作業員さんの小母さん・小田さんから、「物置の縁の下から上半身をだし横になった格好で仔猫が死んでいる」という報告を受けた。手回しのいいことで、警察に通報し、そこを介して保健所に回収させるとのことだった。
定刻近くとなり、ぞろぞろ、とほかの作業員さんも出勤してきた。
銀色虎縞の仔猫だった。
「アメリカンショートヘアっていうやつだね。毛並がいい、飼われていた仔だよ」肥った小田さんがいう。
「外傷とかはないね。据えた臭いがないし、現場でうろついているカラスがつついた跡、蠅もたかっていない」小父さんがいう。
集まった人たちは、一様に手を合わせて、「気の毒に」といった。
さて、死因と死亡時刻だ。
「迷子の仔猫。餌がなくての行き倒れかね?」小母さんがいう。
「遺骸を捨てたのか?」のっぽの小父さんがいう。
「しかし二メートルのフェンスがしてある。そこを越えて、捨てにくるかね?」
「ゲートはロープで結線しただけだ。超える気になりゃいつでも捨てられる」
けっきょく、その日、保健所職員はこなかった。窓口となった小田さんがいうには、保健所は、「途中まできたが道が判らないので引き返した」とのことだ。
昼、蠅がよってきた。事務所回りをカラスが徘徊している。
遺骸に覆いをかけてカラスに襲われないようにしてやる。
遺跡事務所の所長であるシバタ氏は、明日こなかったら、「現場内に穴を掘って埋めてやろう」ということになった。
夕方、現場スタッフはいろいろいいだした。恐らくは血統書のついた仔猫だ。突然やってきて、このような場所で死ぬだろうか? 外傷もない。という振出しの疑問がまたでてきた。
さらに、シバタ氏がいう。
「毛並もいいし、飢えた跡がない。毒をやれば目を開けて泡とかでているだろう。瞳はおだやかに閉じられている。迷子? 現場は広い、数万平方メートルある。飼われていた仔がくるところか?」
マッチョな測量員の小父さんがいう。
「近所の人が、仔猫が死んだんで、保健所に引き取らせる金が惜しくってここに捨てたんだろうよ」
遺跡現場の周辺には、豪邸もあるが、マンションやアパートも多い。きな
小父さんの言葉につけ加えれば、恐らくは、本来、ペットを飼うことができないマンションやアパートの住人が、仔猫の遺体を捨てたのだろう。
現場のすぐ近くには小学校がある。もし仔猫が何者かに殺された場合は?
変死体は嫌な想像をかきたてさせられた。
了
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ノート2013.09.25




