画集/副王家の一族
シネマーテーク高崎という小さな映画館にときどき入ります。東京日比谷と同じ作品を数ヶ月遅れで上映するとのこと。 観てきましたのは、映画『副王家の一族』(☆ここをクリックすると動画サイトへジャンプ!)。19世紀半ばのイタリア・シチリア。王家に代わって、分国を統治する総督のような官僚を副王といいます。その副王の末裔ウゼダ家が、イタリア統一運動で、祖国を失い、存続の危機に。一族の運命やいかに──という内容。
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ウゼダ公爵家の当主、ジャコモ公爵は、公爵夫人である母親の遺産を独り占めにして弟を追放。妹や娘を新旧の有力階層に嫁がせて権力を不動の者にしていくのだけれども、迷信深く、東部にできた腫瘍の治療を、外科医ではなく尼僧に託します。尼僧は、暗に、(腫瘍の原因は嫡子の呪いだ)と吹き込み、ジャコモは、主人公コンサルヴォを幼少から虐待、修道院に押し込めます。やがて解放の英雄ガリバルジ軍がシチリアをサボイ家の統一イタリアに併合。このとき、修道院は破壊され、家に戻ったコンサルヴォは、相も変わらず傲慢な父親に反発し勘当されます。
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『副王家の一族』 2010年 (自作水彩画)
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そんな父親ジャヤコモも腫瘍がたたって、ついに臨終。コンサルヴォは、臨終の席に呼ばれ爵位を継承します。コンサルヴォがとった道は、反発していた公爵家を守ること。そのために、思想・立場の異なるあらゆる階層と接触、自分の支持基盤とし、市長に、そして統一イタリア国会議員へとなってゆくのです。時代はどんなに変わっても公爵家は不動。──人間の欲望は変わらない。(父親以上にたちの悪い権力者に変貌してしまった)
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虐待されていたコンサルヴォを実の父親のように優しく抱擁し、追放中も一人付き従った執事も、(純真な坊っちゃまではなくなった)といわんばかりに、節操のない演説に喜々として集まった新旧両派の群衆のなかから一人去ってゆくのでした。
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しかしまあ、なんとなく、木村拓哉が主演した『華麗なる一族』に似てなくもないですね。読んだことはないですが、原作フェデリコ・デ・ロベルト『副王たち』で、これもまた読んでいない20世紀純文学の巨峰といわれる『山猫』の下地となったのだとか。『華麗なる一族』はそのまた亜流かなあ。人物配置がけっこう似てました。
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2008年イタリア・アカデミー4部門受賞作。監督・脚本ロベルト・ファェンツァ。
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絵は、社交界に舞う主人公コンサルヴォと心優しい妹をモチーフとしています。あくまでイメージなので、映画の人物に似てはいませんよ。(笑)
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いま描きたてのほかほかです。ななんと、30分もかけてしまった意欲作。(←なわけない) 引っ越しが多くて道具が行方不明のなか、ありあわせの道具で描きましたので、意図したアールヌーボー風にはなりませんでした。(まっ、いいかあ)
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ノート20100418




