掌編小説/ぷちぷち探偵小説2 (写真つき)
白鳥が飛来する池がある。阿武隈山塊が窪地となったところで、その北側にある直径100メートルを超える。ちょっとした公園で、縁になったところには、仕切がなされ、蓮が植えられており、シーズンになると観光客やらアマチュアカメラマンが多くやってくる。
ところが昨今、その植え込みが荒されているという話をきいた。
早速、私とワトソン君は現場にむかった。
白鳥はシベリアで繁殖し、越冬のために日本に飛来するのだが、10羽弱の家族で行動する。飛ぶときはV字編隊でゆく。福島県いわき地方にはもともと白鳥がいなかった。しかし40年くらい前に、平地区を流れる夏井川にたまたま迷い込んだ家族がいて、地元の人が餌付けし、いまや数百羽がやってくるようになったのだ。そして、5年くらい前、大風があった日に、問題の池に1家族が不時着。以来、そこに飛来するようになった。
私とワトソン君が池の縁に近寄った。するとだ、白鳥の親子がやってきたではないか。
わあい。などと喜んでいる場合じゃない。
その親子、なんと、仕切を乗り越え、堂々と蓮根を食べ始めたのである。
「つまり、蓮を荒した犯人は白鳥だあぁっ! 事件解決! 私の名推理が光るぅううう!」
(……で、いつ推理したの?)
メタボなチワワであるワトソン君がいぶかしい顔で私をみた。
END
20140211




