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1.5章 夜中の独り言

「よし、っと・・・明日の準備はこんなもんだろう。手伝ってくれてありがとうな、アオイ」

 ベッドの上でプリントをまとめるゼクディウスは机のほうで作業を行っているはずのアオイを見る。

 しかし、アオイは作業を行っていなかった。

「アオイ・・・アオイ? 眠っているのか・・・?」

 そっとアオイの顔を覗き込むゼクディウス。アオイの表情は眠っている人間そのものの表情だ。そのうえ、気持ちよさそうに寝息までたてている。

「参ったな・・・おーい、アオイ? アオイさーん?」

 アオイの体を軽く揺らし、何とか起こそうと試みるゼクディウス。そのさなか、両親から受け取った腕時計の文字盤が目に入る。

「いつの間にか日が変わってたのか・・・そりゃ、アオイも眠くなるよな・・・」

 ゼクディウスはそう呟くと同時に、アオイを起こそうとすることをやめる。

「アオイ、俺は明日から教えるのをがんばるよ。お前は頑張り屋みたいだから・・・きっとすぐにいろいろなことを覚えて、俺よりずっと頭がよくなるんだろうな。そうしたら、俺の代わりに家庭教師も出来るようになるよ。だから・・・お前もがんばれ」

 わが子を見守る親のような気分で眠っているアオイに声をかけるゼクディウス。

「しかし、参ったな・・・とりあえずアオイには布団をかけておくとしても・・・明日起きたらアカネさんになんていわれることやら・・・」

 今日一日でアカネの性格をなんとなくではあるが理解したゼクディウスは、きっと"人の娘に手を出すなんて・・・”ぐらいのことは言われるだろうと予測しながらアオイにそっと布団をかける。

「俺の布団がなくなるけど・・・まあ、服を重ね着すりゃ寒さはしのげるか」

 そう呟きながらクローゼットから服を取り出すゼクディウス。

 服を重ね着し終わったゼクディウスは、プリント製作の心地よい疲れを感じながら眠りの中へと落ちていった。







章間1 完


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