悪の竜 作戦会議
デュラン?視点
デュラン
『やっと来たか』
一見若い男女が目の前までやってくる。その実態はパラレルワールドで水竜と火竜の頂点に立つ存在だ
ロイア
『デュバル様。水竜王ロイア参上致しました』
ノア
『デュバル様。いったい何の用ですか?』
デュラン
『地竜王と飛竜王は来られないのか』
地竜王はパラレルワールドの偵察、飛竜王には全体の偵察を頼んでいるからな
ロイア
『メアからは問題ないとの事です』
ノア
『キリはどうにもならないって嘆いてましたよ、僕もキリの負担は大きいと思います』
確かにキリには基本的に堕神側の偵察をやって貰っている。だが、向こうにはムアが居る。簡単な事では無い
デュラン
『ミラーワールドでは、堕神リイユウの気配が消えた。ハールが動き出すだろうな』
ハールは魔力を集めだしている。集めた魔力で何をするかは分からないが、目的はミラーワールドの破壊だろうな
ノア
『あの堕神が何を考えてるか分からないよ。まあ、僕らからしたらムアの方が厄介だけどね』
デュラン
『キリだけで堕神側の偵察は荷が重い。ノアにも行ってもらう』
キリは非常に素早く偵察向きとも言えるが、如何せん戦闘向きとは言い難いんだ。ノアなら勝てないまでもキリとなら抵抗する程度なら出来るはず。まあ、堕神と戦闘にならないのが一番だが
ノア
『デュバル様が動ければ堕神の一人ぐらいはどうにか出来そうだけどね』
デュラン
『俺は(悪の竜)だからな・・・。どうやってもムアに逆らう事は出来ない』
ノア
『そもそもムア様に逆らえる奴なんて居ないけどね。わかった行ってくるよ』
デュラン
『(ゲート)はロイアに任せる』
ロイア
『俺が責任もって預かります』
(ゲート)が無ければあの堕神が居ない以上、世界間の移動が出来ない。ゲート自体も奴が作った事に変わりないけどな
デュラン
『ロイアにはミラーワールドの偵察をしてもらう、いつハールが動き出すか分からないからな』
ロイア
『・・・バリア様が心配なのですね』
ロイアはいつも勘が鋭いな
デュラン
『ハールの事も、堕神の事も、バリア様の負担にはさせたくない。トルヴェザは居るが、あいつ一人で解決できる事でも無い』
ロイア
『同じ過ちは繰り返さないで下さい。デュバル様』
デュラン
『・・・善処はするよ』
もう一度、バリア様を悲しませるなんて事はしたくない
ノア
『最悪さ、白竜達に協力して貰おうよ。僕達にも堕神はどうにかできないよ』
デュラン
『堕神は兎も角、標的はムアだ。一番厄介なのには違いないけどな』
白竜か、多分無理だとは思うな。俺が(悪の竜)の時点で信用されない
ノア
『結局さ、行動には移せないって事だよね』
デュラン
『仕方ない、とりあえずはハールの対処を考えるか』
全く、腹黒いあの堕神とは違って、俺は大して頭良くないんだけどな
ロイア
『力ずくで倒しますか?』
デュラン
『それができたら苦労はしない』
ハール程度、中級のドラゴンで簡単に倒せる。厄介なのは世界の加護があるからだ
ノア
『考えるのは苦手だよ、何か良い方法は無いかな』
ロイア
『俺も同感』
デュラン
『・・・眷族を沢山放って広範囲を偵察するか』
そもそも、こいつらで頭を期待できるのはメアだけだ
ロイア
『流石デュバル様』
ノア
『数ある内撃って当たるって事だね』
何か違う気もする。まあ、この二人はまだ若いから仕方ないか
デュラン
『とりあえず、何か反応があったら報告しろ。状況によっては他のドラゴンを支配してでもハールはどうにかするつもりだ』
火竜、水竜、地竜、飛竜は協力的だが、他のドラゴンは別に協力的と言う訳じゃない。あまり支配能力を使うつもりも無いが、状況によってだな