対抗心と人
トラメル
『この狼凄いな!人の言葉を話すんだ!』
狼
『えっ?狼?』
おかしい、この世界に来てから人の姿に戻った筈なんだけど・・・、また失敗しちゃったか?
トラメル
『お前狼以外になんも見えないよ』
狼
『戻れない・・・、お前何かしたか』
本来僕の姿は人間なんだ、今では肉体を二つ持っている状態だけど、人間に戻れないのはおかしい
トラメル
『うーん?首輪を付けただけだよ』
首輪?本当に黒い首輪が付いている。だけど、この首輪には呪術が刻まれてるじゃないか!
狼
『何故俺に呪いの首輪を付けたんだ』
トラメル
『呪い?うーん、ペットにするためかな』
恐っ!?おいおい、ペットにする為に呪いの首輪を使うなんて怖すぎるよ
狼
『この首輪を外せ』
トラメル
『やだよ』
何だか子供っぽい奴だ、外見的には20才ぐらいはいってそうなのに
狼
『外さないならば、実力行使で外させる!』
トラメル
『おっ!やるか!』
威厳を保とうとした結果がこれだよ、狼の姿でどう戦えば良いのか分からない。問題はあまり無いけどね
狼
『調和術』
この調和術の範囲内の影は実体を持つ、僕の半身を影として存在させる事が出来るんだ
トラメル
『すげえ!お前の影が人型になって立ち上がったんだけど!いったいなにやったんだ!』
狼
『俺の半身は剣の使い手だ。貴様なんかに遅れをとるつもりは無い』
威厳って大切だと思うんだよ、相手が怯んでくれれば・・・
トラメル
『俺もまけねえよ!』
全く動じてないし!渾身の演技だったのに
仕方ない、半身を動かして退治するか
僕の半身は、自分の影を実体化させて作ったもので、人の形をしてる。実体を持った人の影みたいな感じだね。
勿論、半身には武器が含まれない為に無防備・・・、意味ないじゃん!!?
トラメル
『行くよー』
円盤状のギザギザした金属を半身に向かって何枚か投げてきた。上手く半身を動かして避けると円盤は手元に戻っていった。
つまり、円盤は何かに当たらない限り何度も投げられ、僕に打つ手は無い。
あれ?詰んだ!?
狼
『・・・なかなかやるな』
トラメル
『まだまだだよ!』
あの円盤は4枚か、避けてるだけじゃ打つ手は無い。
本当は使いたく無かったけど・・・
狼
『変化(半身の剣)』
半身である剣の姿に変える。だけど、今の僕は狼なんだよ。僕の半身を口でくわえるとか本当は嫌なんだよ・・・
トラメル
『すげえ!この狼剣も使えるんだ!』
そう言って円盤を二枚投げてきた
バキン! バキン!
円盤に剣を叩きつけ砕く
狼
『この程度か』
挑発してどうするよ!?表面上はなんとか冷静を保ってるけど、言ってる事がチグハグすぎる。
トラメル
『まだまだだよ!俺はレイ・トラメル、絶対倒してやるよ!』
ほら、こうなった。こんな姿でどうすんだよ、隙を見て逃げるか
リバーシア
『俺はサザン・リバーシア。イークワルで新人の指導をしている』
とんだ災難だよ。早く姉さんに呪いを解いてもらわないとなのに