子犬
ちょっと怖めです。
…アホらしい。まさか私が子犬を拾うなんて。
拾ったのはただ、なんとなくだった。道端の段ボールに居た小さな白い子犬。
目が合ってしまったのがいけなかった。雨が降っていたのもいけなかった。
車にひかれたばかりだったのもいけなかった。
その際に踏切に突っ込んだのもいけなかった。
何だか子犬を拾ってから口の回りが赤い。
よく見ると子犬の首もとも赤かった。その辺からは白いものが見えていた。
…改めて思う。まさか私が子犬を拾うなんて。
腕をなくしたばかりだというのに。
この人はどうやって子犬を拾ったんでしょうね。