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人未満が行く化け物探し  作者: 猫烏
素晴らしきかな妖魔界
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いたずら坊主に拳骨を

ガキの不始末 責任は 親がきっちり払いましょう その後ガキには鉄槌を

 ──ブシュッ


「痛っ……てぇな。ようやく本気になりましたか? 先輩」

「今更後輩面しても遅いだろ。烏野郎」


 化け猫の爪が右目に突き刺さり、血が腕を伝い化け猫の服を汚していく。

 咄嗟で避けたものの避けきれず重めの一撃が直撃した。


(だが、これでいい!)

「なっ……あっ」


 霧を吸い込ませて毒で内側から破壊する。身動きなぞ取らせない。完全に空気を固定する。

 一番敵が近くならざるをえないこの瞬間。これこそが勝負を決める一番の決定打の間合いとなる。


「これこそが俺だろ! 肉を切らせて骨を断つ。一番手っ取り早いやろうが!」




「そこまでだ二人共」


 そこで俺の意識は消えた。






(ん……? えっ!?)


 ──ガバッ ドンッ


「痛ってぇ」


 どうやら顔を上げた勢いで頭を打ったようだ。

 翼などは固定されておらずすぐにでも動ける状態ではある。

 俺が寝ている場所は木の洞のような場所で暗いが懐かしささえ感じる。


「痛いじゃないよ。この大型新人君。面白いとは思ったがまさかここまでの奴だとは思わなかったよ」


 顔を上げるとそこにはカエンがいた。

 一見呆れたような顔をして笑っているがこれはかなり怒っている。目が笑っていない。


「い……いや、これには理由がありまし」

「言い訳無用。何があろうと君は仲間を殺しかけた。それは変わらない。それ相応の報いを受けてもらう。いいな?」


 どうやら終わったくさいな。

 それにしてもいいえと言わせる気がないくせに問うとは酷い奴だ。


「……ここでいいえと答えられるほど俺の肝は据わってませんよ」

「ここでその受け答えができるなら充分だよ。さぁおいで。君を呼んでいる子がいる」


 カエンはついてこいと言うように首を上に傾けた。それに大人しくついていく。

 初めて歩いたアジトの廊下は端のほうまで掃除が行き届いていて綺麗だ。結構すごい昔ながらの御屋敷みたいな廊下をしている。

 静かな廊下にはペタペタトコトコと足音が響く。


(あぁ……終わった。森での暮らしから安定した立場を手に入れれたと思ったのに自分でそれを潰しちまった。いっときの感情を優先して全てを台無しにした。流石に死ぬ気はないからどっかで逃げて……そういや森の主ってどっか行っても支障ないものなのか? でも)

「考えているところ悪いけど着いたよ」


 廊下の突き当たりには大きな襖がある


 ─ガララ


 カエンが襖を開けるとそこは床や天井に木板が貼られた空間で隅の方には傷んだカカシが数体置かれている。

 その中央には何故か正座されられている化け猫と竹刀を持った雪うさぎが居た。

 雪うさぎは足をドンドンと踏み鳴らし、化け猫はそれにビクつきながら素直に正座している。


「なぁキジ、うちぁいっつも言っちょるよな? 煽りに乗るなって。戦いは冷静であれってさぁ。まぁ最後の集中はよぉ出来ちょったがあれを警戒する相手だったらどないするんや。烏みたいなぬるいやつはそうそうおらん。 おっ……おい霧烏こい」


 思わずカエンの方を見上げたがその視線は明後日の方向を見ている。


「おい、聞こえんかったんか? 今すぐ来い」

「今すぐ行ったほうが貴方のためになると思うよ」


 その助言はもう少し早く言ってほしかったかな。

 その時にはもう俺の頭部に竹刀が直撃していた。俺の小さな頭部に綺麗にぶち当てるとは……どうやら偉くなるには投石技術も必要なようだ。


「おおっと、おまぁが来ないから竹刀が消えちまった(投げちまった)すまんなぁ、取ってこい(速く来い)


 ──シュッ タッ


「はい。よろしくお願いします」

「遅い」

「はい。すいません」


 これ以上キレさせたらまずい。やばい。

 化け猫から何してんだ貴様という目を向けられている。その通りでございます。


「まーずはなんや。何から言おうか……未熟者共。ひとまず課題を課してから指南したほうがええよな。なぁカエン」

「はいよー」

「今からこいつぁ2人借りてくで」

「半殺し程度に留めておいてくれよ」


 えっ


「いつもよりきつくせぇってことやな」


 えぇ……


「じゃっ後は若い衆でよろしくやってくれ」


 ─ピシャンッ


 襖が閉じられた。それはつまり俺らがどうなろうと知られることは無いということ。

 そして目の前には黒い瞳を更にどす黒く変色させた雪うさぎが立っている。いつもの黒くピシッとしたスーツはこの武道場に不釣り合いそうに感じるが雪うさぎが着ていると何故か馴染んで見える。


「さぁ、まずは……」


 これからのことを考えると冷や汗が止まらない。つーか修行パート多すぎだろ! そして俺のこの無尽蔵の体力はどこからきてんだ。寝たというか気絶した記憶しかないぞ。

 というか俺の処遇はどうなったのだろうか。知りたいこと多すぎてそろそろキレてやろうか。


「座学から始めようや」

「えっ?」

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

 ここで前回の小話を、猫は爪をしまうことができますが犬はできません。ですので足の形から動物を特定する時は爪の有り無しで見極めましょう。

 もしよろしければ評価もよろしくお願いします。読んでくれるだけで嬉しいのですがまた嬉しさで咽び泣きます。

 それでは次回も是非読んでいってくださいね。

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