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人未満が行く化け物探し  作者: 猫烏
妖魔となりてこの世を見る
16/43

雨降る地で活路はあるのか

 勘というとは信じ過ぎちゃいけないが 信じなければ痛い目見るのは誰でしょう 持ちつ持たれつ保つべし

 それにしてもこの体になってからなぜか疲れやすい。さっき休んだばっかのはずなのにもう疲れている。

 そうだな、例えば魂が動ける限界があってそれをすでに超えてるとか。

 そしてそれが疲労となって溜まってるとか。


(なんてな。そうだとしたらもうとっくの前に死んどるわ)


 時刻は昼過ぎだろう、よく分からない鳥が鳴いて川のせせらぎが聞こえる。

 さっき蛇を喰ったばかりだからか腹は減っていない。


(時間で飯を食うって幸せなことだったんだな。食えるときに食わんと動けん)


 そういやなんで俺は毒蛇を喰えた? 何か不味くはあったから毒がないとかではないはず。

 今は腹痛いとかまったく無い。


(腹ないけど   いや、寂しっ……ごほん、毒か……毒といやぁ舎弟だよな)


 舎弟はあのときなんて言ってた。[俺の毒を無効化]だったよな。

 無効化ということは舎弟より下の毒なら効かないんじゃないのか? そうだとしたらどこまでいける。植物は、化学物質はいけるのか?


(実験したいがどれが毒か分からんのがおしいな。毒であっても分からんだろうし……いや、不味かったら毒か! それに舎弟って神だったろ。結構凄くね、この力)


 もしかしたら俺も毒使える? 生物界では食った生物の毒取り込む奴も結構いる。

 さっき蛇喰ったし、試してみる価値はある。


(ひとまずGO!)



(飛び出してみたが…………俺! 毒出す部分がないやん! いやそうよな! 俺の現状口と思わしき部分があるだけだもんな!)


 獲物は居たが試すもんがないと意味無いだろ。結局丸呑みしたわ。

 いくら常識が通用しない存在とはいえ、出せるものがなければ無理だよな。

 ということはあれか、この牙っぽいのは尖ってるだけで機能なんて何もないってことになるか。


(はぁ……)


 気分が落ち込んでいる時に限って天候は急変する。どうやら黒い雲がでてきたようで一雨降りそうだ。匂いは分からないが今ごろ雨の匂いでもしているだろう。

 ひとまず木の洞に隠れて太陽を待つ。



 また帰ってきちまったな。もはや家だよ、ここ。


 ─ポツッ ポツポツ


 狭っ寒っ…………ぎりぎり入れたが雨が降ってきた。

 まったく……五感が不自由だとおもろくない。今使えるの視覚と聴覚と触覚だぞ。

 一応寒さや暑さは感じるが……


 (おや? 案外使えるなと思ったそこの貴方! ところがどっこい残りの味覚と嗅覚は食べ物を食べる時に一番重要なんですよ! これを期に食べ物を美味しく感じれる大切さに感謝してくださいね!)


 虚しいな……誰に言ってんだよ。いや、言ってすらないか。舌ないもん。


(寂しい)


 腹をだして寝たいが俺の周りにはすぐ近くに木の壁がある。体を広げることもできず丸まって寝るしかない。

 確かにこの体制が体温を保つためには一番いいが今の俺にはその保つための体温どころか肉体なんてない。

 その事実が、それをせざるを得ない今の状況がどんどん俺の気持ちを歪ませていく。


(八方塞がりとはまだ言わないがやれることがない。何なんだろ、暇なんかね。それとも希望が無……いや、これはよそう。こんなの思ってもどうしようもない)


 天候が悪いと気持ちも沈む。さっさと寝ようにもまだ時間的には早すぎて眠れない。

 人だった頃でもなかなか無かった虚無の時間。

 森には霧がかかり一寸先も見えない。しとしとと雨が落ちる音だけが五感を刺激する。


(霧かぁ……霧になりゃいろんなとこいけるのかな。そっちのほうが気楽だな。それでそのまま雨が止むと消える。儚いなぁ……)


 ──ブワッ


 (うおっ…………えっ……)


 俺が見た、いや見えてないな。俺の体は見えなくなった。


(……すぅ…………はぁぁぁぁぁ…………うん、ついに死んだか)


 思い返してみれば、いや思い返すほど思い出ないけど散々な人生ならぬ妖生(ようせい)だったな。

 いんやどんだけ修正してんねん。


(なんだよ生まれたその日にラスボスにあって見逃されて打ちひしがれて決意した途端にこれって……せっかく生き残った意味よ)


 てか死因なんだよ! 何もしてないし……てか妖魔ってこんなあっさり死ぬんかい!


(ははっ……はっはっはっはっはっ!)


 目一杯最後の最後まで俺は笑った。これでここまでの旅は終わる。それなら笑って終わりたい。旅という旅なんてしてないし、なんなら始めの町で死んだ感じだが。


 (あーあ、お迎えってどんな感じなんかな。はよ来ないかな。つか俺生まれ変われる? 一応ただの妖魔だしいけるかな)











 いつまでたってもあの世、(いやここって一応あの世に当たるんかな)お迎えが来ない…………えっ……俺はついに神にも見捨てられた? 俺はキリスト教でもなんでもないけど。

 いや元神の使いなんで見捨てないでほしかったな。


 (えっ、俺まだ生きてるってこと? それにしてもこれどういう状況だよ。俺どうしたらいいんだよ)


 こんな時にはなぜこうなったか考えればなんとかなる。

 確か前もこんな事があった。前は獣になってすぐの時、つい数日前のはずなのに俺は人を辞め生物ですらなくなっている……改めて考えると俺の人生、いや途中から人じゃないけどどうなってるんだ。

 話戻すか。今回はなんだ……霧か、霧になりたいと願っ…………あっ!


(そうだよな! この妖魔の世ではな! なりたいと願えば叶うんだよ!)

 

 普通ファンタジーの世界じゃ魔法はイメージとか言うが、術じゃできる力さえあればあとは願えばできる。

 ここがファンタジーと違う。だからこそ忘れていた。この世界は漫画のようだが現実なんだ。


 (ちょっと前の俺! なぁにが八方塞がりじゃ! こんなにやること多いじゃねぇか!)


 先程の気持ちが嘘のように心の中がすっきりした。

 できることが増えるって少しでも前進したって思えることって大事なんだな。

 そういや前も霧にできんか頑張ったが無理だったよな。あん時と何が違う。願う力か……それとも


(成長したってことなんかな……。獲物を喰い霧になるまでの力を身に着けたとか? そうだといいな。それだとちゃんと前進はしてたと思えるからな)


 こんなとこで休んでる場合ではない。てかなんで俺はここで休んでいるんだ。濡れる体そのものが無いのに。


 (そうよな、この体になったんだからそれを活かせばいいじゃん)


 俺は外の雨粒降る世界に飛び出した


(早速……GO!!)


 ─ジュッ



 結論から言うと雨に濡れた瞬間俺の体が消えた。今回はちゃんと消滅した。

 霧状態じゃなければたぶんもろに食らって死んでた。


(……野生の勘は大事だとよ、俺…………。なんで雨に濡れたことも無いのにすぐに逃げた意味を考えるべきだったな。  はぁ……)


 もうしばらくここに留まることになりそうだ。俺はまだまだ暗い雨が降る空を見てため息をついた。

 最後まで読んでくださりありがとうございます。

 最近書き方を変えましたが凄く苦戦しております。助けてください。

 ここで前回の小話を、蛇が来る時の(横から来るぞ! 気をつけろ)はあるゲームネタですね。

 それでは次回も是非読んでいってくださいね。

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