どどめの一撃
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キモクサマンはどどめの一撃のパンチを打つために、大きく振りかぶる。そして、ブラックハート目掛け、思いっ切りパンチを放つ。
その瞬間、ブラックハートの頭部のヘルメットの様な物が外れ、長い髪がバサッと風になびく。怪人の身体が黒い霧に包まれる。そして、キモクサマンのアゴを黒い霧の集まりが捕らえる。そして、彼はそのまま吹っ飛ばされる。
キモクサマンは地面に倒れ、痛みで激しく地面を転がっている。
ブラックハートは長い髪の毛をかきあげる。鎧は全て吹き飛ばされ、上半身裸の様な格好でいる。全身は黒い霧で覆われており、怪人は口を開く。
「ブラックハート、第二形態、暗黒モード」
ヒーロー達はその光景を見て、愕然とする。一番ショックを受けている駄段が、声を絞り出す様に言葉を発する。
「やられた・・・。奴も、奥の手、第二形態を隠していたとは・・・」
駄段はその場に座り込む。ウインドキッドもガックリと力を落とす。
「キモクサマンよ。今のは本当に危なかった。死ぬかと思ったぞ。第二形態を用意していなかったら、俺の方がやられていただろう。しかし、貴様の方が先に第二形態という切り札を使った。後の方まで取っておいた俺の勝ちだ。アホだから、分からないとは思うがな・・・」
全身を黒い光に包まれたブラックハートは、また余裕の笑みを浮かべる。そして、倒れているキモクサマンにゆっくりと近付いて来る。
キモクサマンはバッと立ち上がり、ブラックハートにパンチを放とうとする。しかし、ブラックハートはそれをすんなりと交わし、キモクサマンの顔面に蹴りを入れる。キモクサマンは血を流し、地面に倒れる。
倒れたキモクサマンから、ピンクの闘気が消える。ゴーグルから見えていたハートの目も消える。エロティックモードが終了した、その瞬間であった。
駄段は座り込んだ状態で、うつむき呟く。
「終わった・・・。何もかも、終わった。もう、何の策もない・・・」
ウインドキッドも、うなだれる。もはや、隣の駄段を見る気力もない。ヒーロー達も絶望で、誰も喋ろうとしない。重い空気だけが場を支配する。
キモクサマンはヨロヨロとしながら、立ち上がる。そして、ブラックハートの行く手を阻む様に両手を広げる。
「どうした?キモクサマン。そんなに、あの街には貴様にとって、大事なものがあるのか?ククク、面白い。ではなおさら、あの街の者達を殺さなければならないな。貴様には汚い股間をぶつけられたという、屈辱があるのでな。絶対に許さぬ」
ブラックハートは、市街地側のヒーロー達を睨む。ヒーロー達はビクッと怯え出す。駄段は座り込んで、うつむいたままだ。じっと動かないで、今の状況を絶望している。
ブラックハートは、通せん坊するキモクサマンを蹴り上げる。キモクサマンは宙でクルクルと舞うと、ドサッと頭から地面に叩き付けられる。
キモクサマンは仰向けに倒れ、虫の息だ。ヒーロー達からの立ってくれという声は、もう聞こえない。キモクサマンはよく戦ったよと、誰もが思っていた。
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