裸のお姉さんの写真を凝視せよ!
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再び、ズドンという衝撃音が鳴り響く。ブラックハートの拳が、キモクサマンの顔面を直撃する。キモクサマンは鼻と口から血を流し、地面を転がり回る。そして、仰向けになり、天を仰いでいる。
ヒーロー達の顔は皆、失望で溢れていた。勝てる訳がない。もうすでに、あんなに一方的にやられ、ボロボロではないかと。誰もが、エロ本一冊でこの絶望的な状況を打開出来るとは思っていなかった。
そんな中、アイスギャルから許しを得た駄段は、身体を下ろされて涙を拭っていた。そして、マイクを手に取りキモクサマンを指差す。
「キモクサマン、そのエロ本を見るんだ!」
エロ本はウインドキッドの風に運ばれ、まるで鳥が羽ばたく様にキモクサマンへと向かって行く。しかし、キモクサマンまで、あと少しという所で、ブラックハートが異変に気付く。
「何だ?これは?」
ブラックハートは飛んで来たエロ本を、キモクサマンの寸前で阻止する様に掴み取る。そして、確認する様に中身をパラパラとめくる。
「いかん!奴に奪われた!」
駄段はその光景を目の当たりにし、愕然とする。もう、ダメかと駄段はうなだれる。
「ただのエロ本ではないか。何でこんな物が飛んで来たのだ」
ブラックハートは不思議に思い、辺りを確認する。海上の橋の上とはいえ、今は大して風は吹いていなかったはず。ブラックハートは首を傾げ、手に取ったエロ本をポイっとその場に投げ捨てる。
その瞬間を駄段は見逃さない。駄段の目がキラリと光り、大声を出す。
「キモクサマン!その本に裸のお姉さんの写真があるぞ!」
キモクサマンは駄段の声にビクッと反応し、投げ捨てられたエロ本を取る為に、犬の様に駆け回る。投げ捨てられたエロ本を手に取り、ページを必死にめくり出す。そして、裸の美女の写真の所で、手を止める。キモクサマンは、その写真を凝視する。
「な、何だ、貴様!そんなに身体を痛め付けられても、まだエロ本が見たいのか?どんだけ、スケベなのだ」
ブラックハートは、キモクサマンのあまりのスケベさに動揺する。キモクサマンは、スゴい鼻息で裸の美女の写真を見続けている。すると、キモクサマンからカチッというスイッチの入る様な音がする。駄段は、その音を聞き逃さず、ヒーロー達の方を振り返り、叫ぶ。
「やったぞ!ムッツリスケベネットワークに接続した。間もなく、キモクサマンエロティックモードに突入するぞ!」
キモクサマンはプルプルと震え出す。そして、頭に付いている一輪の花が、キュイーンと音を立てて、回転し出す。
「ふごおおおおおおおおお」
キモクサマンは、エロ本を凝視しながら叫び出す。そして、キモクサマンのゴーグルから見えている両目はハート型になる。全身がピンクの光に包まれる。
「ピンクの闘気だ。やった、成功した。キモクサマンエロティックモードが発動した・・・。」
ピンクの闘気に包まれたキモクサマンはエロ本を投げ捨て、ブラックハートをじっと見る。ブラックハートは、あざ笑う様にキモクサマンを見て言葉を告げる。
「フッ、まだやるつもりか?貴様の命、終わらせてやろう」
両者は再び、向かい合う。
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