君は世界で一番強いヒーローになりたくはないか?
こんな方におススメ。
職場で理不尽な扱いを受けている方。
今の自分が嫌で自分を変えたい方。
正義が悪に勝つ方が好きな方。
笑いが入っても大丈夫な方。
初めて投稿します。かたりべダンローです。
まだまだ未熟者なので誤字脱字などがあると思いますが、よろしくお願いします。
実は僕も職場で理不尽な目にあったことがあります。
午後七時店内の客達も、徐々に減り始め、阿多の仕事の忙しさも少し落ち着く。阿多は、レジ担当の女性従業員を帰らせる為、レジ業務に就いていた。すると、店内入り口の方から泥にまみれ、破損している白衣を着た老人が、阿多の方へ駆け寄って来た。駄段博士であった。
「いらっしゃいませ、ど、どうしたんですか?駄段さん。何があったんですか?」
「はぁはぁ、ワ、ワシの格好は気にせんでいいから。ところで阿多君、ちょっと大事な話があるんじゃが、今日時間あるかな?」
「えーと、仕事終わったら、大丈夫ですけど。大事な話って、まさか売れ残ったお惣菜を、またくれって言う話ですか?店長にこの間バレて、ものすごい怒られたんですよ。だからもう無理ですよ」
「えー、マジか。ワシがどれだけあのお惣菜を、楽しみにしていたことかぁ。って違う違う。もっと大事な話なんだ」
「分かりましたよ。あと一時間で終わりますから。裏の公園で待っていて下さい。あ、ちなみに今日は、洗剤の特売日ですよ」
「マジかぁ。この洗剤半額じゃね。しまったぁ、財布持って来てねぇわ。阿多君、これ、ツケにしといてくれるかね?」
「無理です」
「うー、分かった。仕方ないな。駄段、マジショックだわ。じゃ、一時間後裏の公園で待ってる」
駄段博士は項垂れながら、店内を後にする。阿多は大事な話って、一体何だろうと、いつもと違う雰囲気の駄段を、見送りながら考えていた。
一時間後、スーパーニクニクマートの裏の公園は、街灯の灯りだけを頼りに、闇夜に包まれていた。ジョギングをしている人や、仕事帰りのサラリーマンが、まばらに見える。阿多は街灯に照らされ、ベンチに一人ポツンと座っている、駄段を見つけた。
「スイマセン、お待たせしました。大事な話って、一体何なんですか?」
阿多は、駄段が座っているベンチに、少し間隔を空けて座る。
「単刀直入に言おう。君は、世界で一番強いヒーローに、なりたくはないか?」
駄段は阿多の方へ体を向け、真剣な眼差しで、阿多を見つめる。阿多は、予想だにしない質問の為、しばらくの間、混乱状態に陥る。
「実は、ワシは、英雄仮面同盟の会長兼兵器開発担当をやっておる。君は知らないと思うから説明しておくと、この英雄仮面同盟というのは、世界征服を企む悪役怪人協会と戦う為に、組織された団体じゃ」
駄段は、普段とは違う自信に満ちた表情で、話を続ける。対照的に、阿多は話の内容が、ますます理解が出来なくなって来たので、口をポカンと開けたままの状態でいる。
「君にも、英雄仮面同盟の一員となって、ヒーローになってもらいたい。この腕時計型変身装置を着けて、変身と叫んで、腕を交差させれば、普通の人間がヒーローとなって、怪人達と戦うことができるんじゃ。」
駄段の表情は、ますます高揚感を帯び、阿多はこれは冗談の話ではないんだと、ようやく気付く。
「僕には、そんなこと無理ですよ。怪人と戦うなんて怖いですし、そんな力ありませんよ」
「いや、君じゃなきゃ、ダメなんだ。君には秘められた才能がある。どうしても、君にこの世界最強のヒーローになれる、クレイジーフールを着けて、戦ってもらいたい」
「無理ですって。僕はヒーローなんて、興味ないですし、仕事が忙しいので、そんな暇ないです」
阿多は、頑なに拒否をする。自分は、そんな目立ちたい性格ではないし、大それたことをする資格はないと思っている。
読んで頂きありがとうございました。
これからも努力して面白い小説を書いて行きたいと思います。
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