やっと主人公の登場
こんな方におススメ。
職場で理不尽な扱いを受けている方。
今の自分が嫌で自分を変えたい方。
正義が悪に勝つ方が好きな方。
笑いが入っても大丈夫な方。
初めて投稿します。かたりべダンローです。
まだまだ未熟者なので誤字脱字などがあると思いますが、よろしくお願いします。
実は僕も職場で理不尽な目にあったことがあります。
「阿多!てめぇ、まだ、品出しやってんのか!もう、開店時間、来ちまうだろうがぁ」
スーパーマーケット”ニクニクマート”の店長黒原の罵声が、店内に響き渡る。
「そんなこと言ったって、こんな量一人じゃ、開店時間までに、陳列できないですよぉ」
この店の従業員阿多 田他太は慌てて、商品を出しながら、後ろにいる黒原店長に弱々しく答える。
「てめぇ、言い訳してっとクビにすんぞ!てめぇの代わりなんか、いくらでもいるんだからなぁ」
黒原は阿多の胸倉を掴みながら、顔を近付け、睨みつける。
「俺は向こうでミーティングしてくっから、死ぬ気で間に合わせろ、いいな」
と言うと、体の向きを反転させ、女性従業員の元へ軽やかに歩いて行く。
何がミーティングだと、てめぇはただ向こうにいる女の子達と、お喋りしたいんだろと、内心怒り心頭の阿多であったが、弱気な性格が邪魔をして、ぐっと堪える。そして、真面目な性格ゆえに、開店時間までに終わらせようと再び必死で、商品の陳列に取り掛かる。離れた所で、女性従業員達と楽しそうに話をしている店長を、横目にしながら。それが、彼の日常であった。
夕暮れ、スーパー”ニクニクマート”は営業時間で、一番忙しい時を迎える。阿多は商品補充の為、バックヤードから一箱30キロもある飲料水の入ったケースを、大量に運び出す。彼は日常的に、スーパー業務の力仕事を担当していた為、彼の肉体は鍛えられ、筋骨隆々へと化していった。
阿多は箱から飲料水を取り出し、冷蔵用のショーケースに商品を陳列していた。すると、レジで精算を終え、重そうなレジ袋を両手に下げているおばあさんを見つける。
「駐車場のお車まで、お荷物お持ちしましょうか?」
「え、そんな忙しいのに悪いわ。大丈夫よ」
「いえ、構いませんよ。お車どちらですか?」
さっと、荷物をおばあさんから受け取り、おばあさんからの誘導を受ける。
「ごめんなさいね。ホント言うとすごく重かったの。助かるわ。ありがとう」
阿多は、おばあさんの車まで荷物を運び、またよろしくお願いしますと、にっこりと微笑む。おばあさんは阿多の方を見て、何度も何度もお辞儀する。
「阿多!てめえ、何サボってんだ。品物全部出てないだろが」
また、黒原店長の罵声が駐車場に響く。
「すんません、行かないと怒られちゃうんで、お気を付けてお帰り下さい」
阿多は、申し訳なさそうな顔をしているおばあさんに、そう言うと、店内へ駆け足で戻って行った。
阿多自身気付いていないのだが、そういった親切心からの行動はスーパーのお客となる地域住民から愛されていたのであった。
読んで頂きありがとうございました。
これからも努力して面白い小説を書いて行きたいと思います。
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