活躍するほど嫌われるヒーロー
よろしくお願いします。
アニメ好きの人向けに書いた小説が完結しました。良かったらそちらの方もよろしくお願いします。
阿多は、重い身体を引きずりながら、英雄仮面同盟の本部を後にし、自宅のアパートに帰る。テレビの電源を入れ、夕方のニュースに、チャンネルを合わせる。
遊園地の事件のことが、報道されていた。阿多はもちろん、自分が関わった事件のことなので、食い入るようにニュースを見る。
お母さんを怪人に殺されたと、泣いている女の子の映像が写し出される。今回の事件の死者は三名。どの犠牲者も家族連れで、遊園地に来ていたらしい。
阿多は、天井を見上げ、悲しい気持ちになる。
また、自分が救えたかもしれない命を、救えなかったと・・・・。
もし、自分がもっと早く、怪人の存在に気が付き、変身していれば、救えたかもしれないという後悔の念が残る。
と、同時にあの場面では、愛花さんを無事に逃がすことが最優先だった。自分の行動に、間違いはなかったと考える自分もいる。
もう、こんな思いをしたくない・・・・。誰にも、死んで欲しくないんだ・・・・。
阿多は、本気でヒーローをやろうと決断をする。災いをもたらす怪人を、全て倒してやると決意する。
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変わったのは、阿多の気持ちだけではなかった。
「阿多さん、どうか、私を弟子にして下さい!お願いします!」
ウインドキッドこと山田の、阿多に対する態度が、ガラリと変わったのである。
山田は、カマキリンとの戦いで、負傷していた為、しばらくの間、入院していた。今日、やっと一人で動けるようになり、退院出来た矢先に、阿多の勤務先のスーパーへ来て、弟子入り志願をしたのである。
「い、嫌ですよ。僕は弟子とか取らないんで。止めて下さいよ、山田さん」
「お願いです。師匠!どうか、私を弟子に。それに私の事は、山田と呼び捨てにして下さい」
「嫌ですよ。本当に困るんで、止めて下さい。山田と呼び捨てにするのも、抵抗あるし・・・・」
「では、私のことは、山田くんとお呼び下さい、師匠!」
「師匠は止めて。僕がヒーローと関わってるの、みんなにバレたら、大変だから」
「確かに、そうですよね。キモクサマンの正体は、隠さないと、いけないってことですよね。分かってますよ」
「だから、声がデカイって!!」
これにより、阿多は山田と協力関係となり、スーパーの店員とヒーローの二足のわらじを、本格的に履くこととなる。
そして、阿多は本気で、ヒーローをやることにより、一ヶ月で二十体の怪人を倒すという、偉業を果たす。
その事により、怪人達からは"キモクサマンと出会った怪人は、必ず死ぬ"と、死神と恐れられる様になる。
その一方、キモクサマンが、活動すればするほど、S市市民への被害は、増大していった。
キモクサマンのオナラによる毒ガス被害、若い女性に対する抱き付き行為。
見た目、存在が不快だ、腹が立つ等のクレーム、批判など、ドンドン英雄仮面同盟の本部に寄せられていった。
程なくして、キモクサマンはS市市民から一番の嫌われ者となる・・・・・・。
読んで頂きありがとうございました。
次回から新章となります。




