友と認めたものの死
よろしくお願いします。
アニメ好きの人向けに書いた小説が完結しました。良かったらそちらの方もよろしくお願いします。
パンダちゃんは、軽快な音楽を鳴らしながら、走り出す。キモクサマンは、パンダちゃんの上で、上機嫌になり、奇声を上げる。
カマキリンは、そんなキモクサマンを一瞥すると、再び、ウインドキッドに話し掛ける。
「あ、そうだ、忘れていた。貴様を殺す前に、聞いておきたかったことがある。ゴリクマオトコを殺ったのは、どこのどいつだ?」
「・・・・今、目の前にいる、そのアホだよ」
「は・・・、ゴリクマオトコは、俺の次に怪人協会で、強かったヤツだぞ。冗談にしては笑えん。本当のことを言え!」
「本当だよ。そのアホが一撃で、ゴリクマオトコを倒した。私も、認めたくない事実だが・・・」
カマキリンはもう一度、キモクサマンの方を見る。キモクサマンは楽しそうに、パンダちゃんに乗っている。
「あり得ない。あんな鼻水とヨダレを、垂らしてる奴だぞ」
「だったら、試してみるがいい。私も本当にあのアホが強いのかどうか、確かめてみたい」
ウインドキッドは、キモクサマンが自分よりも強いかもしれないと言うことを、どうしても認めたくなかった。アホよりも弱いヒーローだと、他人に思われるのは、ヒーローとしてのプライドが許さなかった。
しかし今、殺されるかもしれないこの時に、素直な気持ちになる。
本当にキモクサマンは、強いのかと・・・・。もし、本当に強ければ、自分を助けて欲しいと・・・。
カマキリンは、パンダちゃんに乗っているキモクサマンの前に立つ。
「おい、そこのアホ!本当にゴリクマオトコを殺ったのは、貴様か?」
キモクサマンは相変わらず、パンダちゃんの上でノリノリである。カマキリンの言葉など、全く無視だ。
カマキリンはその態度に、イラッとして、右手の大鎌を振り上げ、キモクサマンの首に振り下ろす。ウインドキッドは、首を斬られたと思って、目を伏せる。
カキンと、鈍い金属音が鳴り響く。カマキリンの鎌はキモクサマンの首元で、止まっている。キモクサマンは、何事もなかった様に、笑顔でパンダちゃんに乗っている。
カマキリンは、何故こいつは死んでいないのかと、自分の右手の鎌を確認する。よく見ると、鎌が刃こぼれしている。
「おかしいな。今度は、こっちを斬ってみるか?」
カマキリンは、キモクサマン本人ではなく、パンダちゃんの方を斬り付ける。パンダちゃんは真っ二つになり、動作を停止する。
「うがあああああああああああああああああああ」
キモクサマンは真っ二つになったパンダちゃんに駆け寄り、叫ぶ。動かなくなったパンダちゃんの顔に、そっと手を触れ、うつむく。
「うおおおおおおおおお、うおおおおおおおおお」
そして、天を見上げ、号泣する。短い間だったが、共に楽しい時間を過ごした、友と認めたものの死を悲しむ。
「いや、ついさっきの時間だけ、乗っていたパンダの乗り物が、壊されただけだろ?」
カマキリンは、この異常なキモクサマンの反応に、面食らいながら、突っ込みを入れる。
カマキリンはこのあと、後悔することになる・・・。
怒らせてはいけないものを、怒らせてしまったのである・・・・。
読んで頂きありがとうございました。




