ウインドキッドVSカマキリン
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ウインドキッドは、自分の最大の技で、怪人との決着をつけなければと、考えていた。力の全てを両腕に集める。
「ウインドキッド最大奥義!ダブル竜巻!!」
ウインドキッドが、両腕を前に出すと、左右の腕から、一本ずつ竜巻が放たれる。二本の竜巻は、ぐるぐると轟音を上げながら、怪人カマキリンに向かって行く。
「どうやったら、貴様に一番絶望を与えられるか、考えていたよ」
カマキリンは、ニヤリと笑うと、両腕の大鎌を下げ、防御の姿勢を取らない。ただ、突っ立っているカマキリンに、二本の竜巻が直撃する。
凄まじい衝撃音が、辺りに響く。竜巻が巻き上げた砂ぼこりの中から、カマキリンが現れる。
「これでナンバーワンか?ヒーローは、もう終わりだな」
カマキリンは、頭を振って、身体に付いたほこりを払うと、ゆっくりと、ウインドキッドに近付いて来る。
ウインドキッドは、自分の最大の技が、ノーガードで受けられたことに、ショックを受け、呆然と立ち尽くす。
こんなに力の差があるのかと、己の無力さに絶望する。
一方、両者の戦闘の隣にいた、キモクサマンは突然、目を輝かせ、抱き付いていた女性から離れる。と、同時にメリーゴーランドの方へと、走って行く。
解放された女性は、キョトンと立ち尽くしていたが、我に返り、慌てて、遠くへと逃げて行く。
キモクサマンは、目標物に到着すると、立ち止まる。キモクサマンが向かった先は、メリーゴーランドではない。パンダの乗り物、そう、あのパンダちゃんであった。
キモクサマンは、奇声を上げ、パンダちゃんに乗り込む。しかし、パンダちゃんは、百円硬貨を入れないと動かない。キモクサマンはアホである。そんなこと分からない。
キモクサマンは、自分で動かしてみようと試みる。しかし、パンダちゃんは動かない。キモクサマンはガックリと、頭をうなだれる。
カマキリンとウインドキッドは、このキモクサマンの奇行を、呆気にとられて見ていたが、我に返り、再び戦闘を再開する。
「もう、楽にしてやるよ。あの目障りなアホも、殺そうと思ってるからな」
カマキリンは、ウインドキッドに向かって、突進し、両手の大鎌を、激しく振り続ける。ウインドキッドは風の盾と風の鎧で、防御を試みる。が、全て防ぎきれない。
ウインドキッドは、全身を切り裂かれ、血まみれになり、吹っ飛ばされる。飛ばされた先は、キモクサマンがパンダちゃんに、乗っている辺りだった。
風の防御で、致命傷は免れているものの、ウインドキッドの傷は、決して軽くはなかった。
このまま戦っても、勝ち目はゼロ。この傷では、怪人から、逃げ切れる自信もない。ウインドキッドは、死を覚悟する。
ウインドキッドは、横にいるパンダちゃんの上で、うなだれている、キモクサマンを見る。死が近いと人は無駄なことをしたり、優しくなったりするのかもしれない。
ウインドキッドは、フラフラになりながら、キモクサマンの乗ったパンダちゃんに、百円硬貨を入れる。
パンダちゃんは、軽快な音楽を流しながら、動き始める。
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