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あなたは世界で一番強いヒーローになりたいですか?(注)ただしアホになりますが・・・  作者: かたりべダンロー
二章

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18/82

怒れる怪人カマキリン

よろしくお願いします。

 カマキリの怪人、カマキリンは、怪人人生の中で一番、今、怒っていた。


悪役怪人協会のナンバー2の、この幹部の自分の目に、コショウを投げ付ける、不届きな人間がいたのだ。そのおかげで、視界がしばらく奪われ、殺す予定だった多くの人間達に、ことごとく逃げられたのである。



「あの男、絶対に許さん!!」

 怪人カマキリンは、自分のプライドを、大きく傷付けた男を、血眼になって、探していた。


辺りを見回しながら、歩いていると、カマキリンは遊園地の広場に、差し掛かった。

広場には、硬貨を入れると動き出す、四つん這いのパンダの乗り物が、三台ほど放置されている。首の所には”パンダちゃん”と明記されていた。



「何がパンダちゃんだ!」

 カマキリンは頭に来て、目の前のパンダの乗り物を、蹴飛ばす。このまま怪人協会に帰れば、部下達に任務を失敗した無能と揶揄され、ボスである怪人ブラックハートに、どんな罰を与えられるか。カマキリンは、何かしらの怪人としての成果が、欲しかった。



 

 カマキリンが、辺りの捜索をしていると、彼はメリーゴーランドの前で、親とはぐれて泣いている男の子を、発見した。


カマキリンはニヤリと笑うと、高速で移動し、男の子の目の前に立った。男の子は、この怪人に驚き、逃げようとするが、怪人は素早く移動し、行く手を阻む。



阿多は、その様子を伺い、木の影に身を隠す。ゴリクマオトコの事件の時、自分の決断の遅さの為に、犠牲になった人の事を、思い出す。


もう、二度と、あんな思いはしたくない・・・。


阿多は、左手のブレストを、目で確認し、腕を交差して変身と叫ぶ。全身が光に覆われ、力がみなぎって来る。と、同時に、頭の中がぼやけて来る感覚に襲われる。


あぁ、今、自分は強くなっていっている代わりに、アホになっていっているのだなと、薄れていく意識の中で、変化していく自分の肉体を、阿多はボーッと眺めていた。




カマキリンは、男の子がこの怪人から、逃げられないと悟り、その場に泣き崩れたのを、確認すると、大鎌と一体化している、右腕を振り上げた。


カマキリンは、遠く離れた後方で、きゃあと言う女性の悲鳴声を聞く。目の前で子供が、怪人の俺に殺されようとして、なすすべなく、泣き叫んでいるのだろうと、蔓延の笑みを浮かべ、カマキリンはそう思った。


が、次の瞬間、さっきの考えを否定する、予想だにしない光景をカマキリンは目の当たりにする。



瞬間的に、後方の女性に視線を送ったカマキリンが見たモノは、嫌がる女性に抱き付いて離れない、気持ち悪い笑顔の男の姿であった。


カマキリンは、この異様な光景に、呆気に取られ、振り上げた右腕を、降ろすことを忘れていた。


今、目の前で子供が、殺されようとしているこの事態に、横で嫌がる女性に抱き付いて、笑っている男がいる。


カマキリンは、自分も殺人に快楽を得るような異常者だが、この異常な男は自分以上かもしれないと、恐怖心を抱く。


その笑っている男の姿は、頭に一輪の花を咲かせ、目にはゴーグル、鼻と口からは鼻水とヨダレが垂れ流されていた。上半身と膝からスネにかけて、プロテクターを纏い、黒のブリーフを履いた男。


クレイジーフールと呼ばれるヒーロー、世間ではキモクサマンと認知されている、ヒーローであった。




読んで頂きありがとうございました。

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