アホで最強なヒーローの初デート
よろしくお願いします。
ゴリクマオトコ襲撃事件から一か月後、スーパー”ニクニクマート”は営業を再開していた。
壊れた窓ガラスや陳列棚などは、新しい物と交換され、その他壊されていた箇所は綺麗に修理されていた。店長黒原はその問題のある行動や、言動から他の店へと異動となっていた。
阿多はまた、何も変わらないスーパーの業務をこなす毎日に、舞い戻っていた。
阿多には実は、好きな女性がいる。スーパーのお客さんの一人、東野愛花であった。
店でよく話し掛けられて、何度か顔を合わせる内に、好意を持ったのである。しかし、阿多はネガティブで自信がない性格であった為、ルックスの良い愛花を、デートに誘う事が出来なかった。
そんな阿多だったが、最近、変化が見られるようになってきた。
怪人との戦いで、自分もやればできるという自信を持つことが、出来たのである。阿多は、愛花と話が盛り上がったタイミングで、デートを誘おうと決意する。
「愛花さん、もし良かったら、今度の日曜日、二人でS市の遊園地に、遊びに行かないですか?新しいアトラクションが、オープンするらしいんですよ。今までにない、斬新な乗り物みたいなんです。愛花さんが他に予定がなければ、いいんですけど・・・・・」
阿多は、ちょっと自信なさげに、愛花の顔を伺う。愛花は、一瞬戸惑いの仕草を見せたが、しばらく考えて答える。
「いいですよ。その日は、予定がないんで。私も、そのアトラクション、興味があったんで、よろしくお願いします」
愛花は、阿多の方を見て、微笑む。阿多は、断られると覚悟していただけに、興奮して飛び上がる。
阿多は、自分のはしゃいだ行動に、愛花が引いているのではと、一瞬、表情を確認し、照れた表情を浮かべ、申し訳なさそうにうつむく。愛花は、そんな阿多を見ても、微笑んだままだ。
阿多は、愛花と連絡先を交換し、愛花は店を後にする。阿多は、小さくガッツポーズし、また、仕事を頑張るのであった。
デート前日、阿多は期待と不安で、なかなか寝付けないでいた。デートプランは、綿密に考えたが、女性との付き合いに慣れていない阿多は、落ち着かないで、色んな思考が溢れていた。
どんな話題で愛花とのデートを、盛り上げようかと考えていたその時に、ふと左手の腕時計型変身装置が目に入る。自分がヒーローである事を、話すべきか・・・・・。
いや、それは絶対に出来ない。普通のヒーローは、自分や周りの人達に、危害が及ぶから、自分の正体を話さないのが、セオリーだけれども、自分の場合は違う。
自分はそう・・・・キモクサマンと呼ばれているのだ・・・・・・・絶対に知られたくないし、知られちゃいけない。
この間の事件で、お漏らしをして、オナラで市民を病院送りにした。嫌がる女性に抱き付き、お触りもした。
これらの最低の行為をしたことが、ニュースで報道されている。正体がバレれば、自分は愛花に確実に嫌われる。
愛花だけではない。もうこの街では、恥ずかしくて申し訳なくて、自分は住めない。阿多は、絶対に正体がバレないように、注意しようと決心する。
阿多は再び、ブレストに視線を移す。明日のデートの時、まさかないとは思うけど、怪人と出会うかもしれない。
ブレストを念の為に、装着して行くかと、阿多は考える。変身すると、お漏らしもするから、オムツも履いといた方がいいなと、準備する。
自分はホントに心配性だなと、苦笑いしながら、再び、床に就く阿多であった。
しかし、阿多の予感は、的中することになる・・・・・
悪役怪人協会幹部にして、千人以上の人間を、惨殺してきた最悪の怪人、カマキリンと遊園地で
死闘する事になるのであった・・・・・・
読んで頂きありがとうございました。




