絶対に負けない 兵器の完成
こんな方におススメ。
職場で理不尽な扱いを受けている方。
今の自分が嫌で自分を変えたい方。
正義が悪に勝つ方が好きな方。
笑いが入っても大丈夫な方。
初めて投稿します。かたりべダンローです。
まだまだ未熟者なので誤字脱字などがあると思いますが、よろしくお願いします。
実は僕も職場で理不尽な目にあったことがあります。
*この小説は最後の戦いが面白くなるように伏線(ネタ振り)を張っています。
「これを使えば、史上最強の強さを手にすることが出来る。何物も歯向かうことは、出来なくなる」
科学者駄段健三は自室の研究室で、自分の長年の成果に歓喜した。
彼の右手には、その研究の成果として、完成した腕時計のような物が握られている。今までの苦労をしみじみと噛み締めながら、目頭が熱くなるのを抑え切れずにいた。
実験は何度も行なった。あとは実戦で試してみるのみなのだが、今の自分の体力では心許ない。私はもう若くないのだ。鏡に写った自分の白髪頭と、シワだらけの顔を呪う。
誰かにこれを託さなければ。しかし、誰でも良いと言う訳ではない。もし、これが悪の手に渡れば、世界は混沌の世と化そう。
ふいに、来客を知らせるチャイムの音が、聞こえて来た。チャイムの音を鳴らした主の姿を、モニターで確認する。顔見知りの姿にホッと安心する。彼は英雄仮面同盟の火賀であった。
駄段は建物のセキュリティを解除し、友人の火賀を地下にある自室の研究室に通す。
「博士、とうとう例の兵器が完成したようですね」
「ああ、君に渡したファイアバンドよりも、恐るべき力を持っている」
駄段博士は以前、自分が発明したファイアバンドと呼ばれる、腕時計型の兵器が火賀の左手首に備わっているのを、確認し続ける。
「だが、これを使用するに辺り、何点かデメリットがあるのだよ」
「デメリットですか?」
「そう、使用後の疲労度が半端ないんだ。ワシも使用して、何回か変身したのだが、死ぬかと思うくらい、すごく疲れた。だが、一番の致命的弱点は、そこじゃないんだ」
と言いかけた時、侵入者を知らせる警報音が、館内に鳴り響く。慌てて駄段博士は、侵入者の正体を各場所に設置されたカメラからの映像を、モニターで確認する。正面玄関のカメラの映像に、人影が複数映っている。
いや、人ではない。そこには人ならざるモノ、怪人が映っていた。
「は、博士!奴等がなぜ、ここに」
火賀はモニターで怪人の姿を確認すると、動揺する。
「どこからか情報が漏れたらしいな」
意外に落ち着いた声で、駄段は対応した。
「まだ、セキュリティが機能している。それに万が一のことを考えて、この部屋から外に通じる隠し通路が、用意してある。怪人達と戦うようになってから、ワシも随分用心深くなったからな」
「博士、その新しい兵器は使えないんですか?」
「だから、致命的な弱点があると言っている。この状況を打破できるような、楽観的な代物ではこれはないのだ。逃げるという手段が一番適当かつ、無難な選択であると思う」
駄段博士は、部屋の隅にある本棚の前へと駆け込む。右から三番目の”逃げるが勝ち”というタイトルの本を取り出すと、本棚が右へ移動し、その移動した箇所から通路が出現する。二人は顔を見合わせ、その通路へと足を運んだ。
読んで頂きありがとうございました。
これからも努力して面白い小説を書いて行きたいと思います。
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