標的は世界大会!?
ご無沙汰しております
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「わぁ~思ったより華やかだね!?」
「はああ、これが四年に一度開かれると言うスポーツの祭典か。」
「テレビでしか見た事なかったのですが、現地ではこんなに盛り上がっているのですね。」
「あ、あれは何~?」
四人はそれぞれが言いたいことを発している。
今年はO州のE国で行われる世界スポーツ大会に合わせて、剣、蓮、ジェイの猫屋一行、それにフェイの四人は、わざわざ飛行機に乗り、やってきた。
猫の王はお留守番である。
ジェイが長時間の飛行機の旅をまたしたいと言いだした。
これまでにSQでは蓮しか乗ったことがないというので、では体験してみようということになり、四人はファーストクラスでの飛行機の旅を経験したのである。
だが、最後まで飛行機を堪能したのはジェイだけであった。
ジェイはA国から移動時以来だが、飛行機は最高なのだと感想を述べていたので皆、隠してはいたが期待値が高かった。
逆に、蓮は出国から容姿を変え、その者が出国した証拠として飛行機に乗らなければならなかったので、この経験を幾度もしており、長旅は疲れるから嫌なのだと嘆いていたのだが、SQが耳を貸すことはなかった。
この旅でも、言った通りだろうと、狭い中に閉じ込められるのは苦痛であったと淡々と述べた。
今回の旅での剣の扉の能力を堪能し、自分も一瞬で移動できる能力が欲しいと羨んでいた。
最初は皆で持ち楽しんではいたのだが、何せ我慢を知らない者達、長すぎる狭い空間での拘束に飽きてしまい、途中で何度も例のドアを使い、店へと戻り、苦痛を和らげていた。
到着するギリギリに機内へ戻り、何とか飛行機に乗ると言う目標を達成させた。
荒業を使っていたのだ。
そして、入国後、大会が開かれる都市Rに移動し、街の雰囲気の感想をそれぞれが述べたものが先程のバラバラ発言だ。
「それで、計画内容は入手できた?」
蓮がフェイへ聞く。
「どうやら選手入場時に事件を起こすつもりらしいよ。前のフランス大会で、競技場以外の場所で入場セレモニーをして以来、開会式が昏迷状態に陥っているよね。あの後に開催された国では競技場に戻そうと試みけれど地味だと批判的な意見が多く寄せられ、野外パレードをしたらしたで沿道からの一般人の乱入や物が投げ込まれるなどあって選手を危険にさらし、ハプニングが続出だった。今回も結局は、派手にという意見が勝ったらしく野外らしい。競技場外で行われる。警備をする側からしたら、戦々恐々だろう。」
フェイは色々調べてきてはいるが、たかが、スポーツの大会がここまでの盛り上がりを見せているとは想定していなかったらしい。
「確か、各国の選手団はこの国の有名な赤いバスに乗っての移動だったよね?」
「ああ、そうだ。天井に乗れるやつでパレードだ。だからどの地点で狙われるかをこれから調べなといけない。はあ~クッソ面倒。」
「そこは調べられなかったのか?」
「うん、そこまではね。現地に委ねるって文書に記されていたって。もしかしたら、事前に特定されるのを嫌ったのかも。」
「じゃあ、選手が移動する場所を観光がてら順に巡ってみるか。」
「ああ。」
「そうだね。」
「だね。」
決まった所で、移動を始めた。
最初の出発地点のタワー橋を目指す。
その後、S大聖堂や大きな観覧車R・Iを通り、再び橋を渡り、有名な時計の建物、Eタワーの横を通りすぎて、寺院やT広場を経て、有名なV宮殿まで走りゴールだ。
ふと、フェイがいきなり立ち止まった。
一瞬、身体が仄かに光る。
「ダメだった。」
突然そう言いだした。
「戻ったのか?」
蓮が聞く。
「ああ、襲撃場所はEタワーの手前の橋だ。そこで狙われた。その付近に潜伏しているようだ。どうする?今から奴らを探し出して捉える?それとも、派手にやる?」
傍から見たら変わりはないが、未来で事件が起きた時点からフェイが能力を使い戻ってきたようだ。
情報を得てきた。
事件が起きた地へ歩きながらの作戦会議が始まっていた。
「そうだね、アイツが来たら厄介だから、先に捕獲してしまおうか!?」
剣が言う。
「いいや、折角の祭典なのだから、演出と見せかけてしまうのも悪くない。」
蓮が言う。
「いいね、そっちの方が楽しそうだ。」
フェイも参戦。
信号で捕まり、立ち止まり、どうしようかと話をあっていたのだが、信号が進めへと変わったのに、フェイが動かなくなった。
「フェイ、どうし…」
と問掛けられた瞬間、またフェイの身体が仄かに光った。
「これでもダメ。今すぐに応援要請しないと間に合わない。この国以外で同時刻に襲撃があった。お前達はA国へ飛んでもらわないと。」
フェイが焦った様子で指示を出し始めた。
「え~!?嫌だ~」
不満を吐きだしたのはジェイだ。
これから有名なバスに乗り、R市の観光が出来ると思っていたからだ。
心はすでにスポーツの祭典へと進んでいる。
「悪い、ジェイ。君を巻き込むつもりはなかったんだけど、どうしても人手が足りないんだ。この件を解決するにはジェイの能力が不可欠。お願い、力を貸して、手伝って。」
フェイがいつもの何倍も甘えた声でお願いをする。
そんな彼の事をジェイは大好きなので、機嫌を一瞬で直し、二つ返事で答える。
「いいよ。僕が役に立てるって!?嬉しいな。」
ジェイは頼られていることが嬉しいらしい。
これまで何かあったとしても危ないからとセク船などに関らせてくれることは無かったのだ。
自分も役に立つことが出来ると、ニコニコとご満悦だ。
そこからは、息をつく暇もないくらい大忙しの四人。
J国やアジアに居る多くの人材たちを、国を跨いで大移動させて対策を施した。
***
現在、猫屋一行はフェイだけをE国へ残し、A国へとやって来ていた。
未来のこちらにはフェイが来ていないので、何が起こるのかの詳細は不明とのこと。
ただ、分かっていることはある。
E国のセレモニーの最中に、A国大統領選挙の党代表演説会場にて例の者たちが襲撃を行うのだそうだ。
本来ならば日程が被る事はないはずなのに、この二つのイベントが同時に行われた。
異能力集団の実力をみせつけたいのだろうか?
操作はお手の物という事らしい。
「なかなかやりますな。」
と、フェイも唸っていた。
「それで、これからどうするって?」
蓮が剣に聞く。
作戦は三人で立てたが、蓮は剣をこちらのチームのリーダーとする様子。
責任を負わされるのは正直ゴメンだが、蓮は主要人物の警護の役割が割り当てられているので、司令塔は別の人物にしたいとの考えなのだろう。
自身を駒として扱えという事の様だ。
という事で、自然と剣がそのポジションにつくことになった。
「ではまず、蓮は現大統領のSPになり、一番近くでの待機を。周辺の警戒と警護を任せます。」
蓮が頷き、大統領のSPの中で形態がし易い人物を一人選び、彼へと形態を変化させた。
「OK!」
「次に……」
どんどんと剣は指示を出していく。
フェイから聞いた出来事から推測し、今、集結している力を使い、相手の攻撃を防ぎ、捕まえる事を模索しているようだ。
「捕まえるの?殺した方が早いのに。一瞬で終わるよ。ねえ、そっちにしない?」
これは、この作戦が始まる前に、検討を重ねていた際にでた剣の発言だ。
実は、剣は全てを消し去るつもりでいたのだが、フェイや蓮、それにジェイから、あの者達を殺さないでくれと頼まれたのであった。
ジェイは古巣、元知り合いが居るからと言う気持ちでの発言だ。
フェイや蓮は自分達の刺激が無くなるのを惜しんでのことだという。
長年生きていると、時折、刺激的なスパイスを欲するらしい。
その役目を果たすのが彼らなのだと熱弁された。
「それじゃあ、明日はこの作戦で行くよ。通称 “無いものはない作戦” 頑張っていきましょう。」
気合を入れ、皆が一つにまとまった。
例のORスポーツの祭典入場式の当日。
決戦の火蓋は、静かに開け放たれたのであった。
短いですが投稿いたしました
短くてすみません




