勿忘草Forget-me-not
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タララタララタラララララ♪
“主よ人の望みの喜びよ”の着信音が流れる。
「はい、猫屋です。」
店の電話に出る店主の表情を観察しながら、蓮はこう呟いた。
「どうやら、よい相手からの電話ではないようだな。」
机を挟み向かあって座っている瑞樹と華子が、その呟きに反応する。
「え?でも、いつものテンチョーと変わらないよ。」
「うん、変な笑い浮かべているだけよ。何が違うの?」
二人は通話を続けている店主を見てそう言った。
「いつもよりも口角が上がっている。あれは無理に笑わなきゃと力が入っているからだ。きっと、相手は相当嫌な奴なのだろうな…」
そう蓮が言ったあと、受話器が置かれ、店主は大きく溜息をついた。
「剣、誰から?」
蓮が聞くと、
「勿忘草。」
とだけ、店主が答えた。
蓮は察したようで、蓮も暗い顔になる。
「勿忘草って?」
そんな蓮に瑞樹が躊躇なく聞いた。
「勿忘草は英語で Forget-me-not、そう言う店名の猫カフェがあるんだ。そこのオーナーからの電話だったって。」
図書館で借りてきた図鑑を捲り、淡々と蓮は答えた。
「へ~、あんなに優しい店主が嫌がるくらいだ。猫カフェオーナーっていうのは相当嫌な奴なんだな~」
恐らく何も考えずにそう言ったのだろう。
鼻と上唇の間に鉛筆を挟み、特技を披露し満足げな瑞樹を見て、蓮はクスっと笑った。
「ああ、嫌な奴だ。それよりも、瑞樹はスクールの選抜に行かなくてよかったのか?」
蓮は話題を変えて、瑞樹の所属するサッカースクールチームがある地区の中で、上手い選手だけが参加できる選抜教室に誘われたことを話す。
「あ?だってお前だって行かなかったじゃん。それに、それだとお前ら二人だけになるだろう?そ、それ、早く決めないとなんだろう?いいから早く決めようぜ!!」
自由研究の課題の書かれた紙を指さして、瑞樹は顔を真っ赤にして答えた。
どうやら、蓮と華子が2人きりになることが気に食わず、いっちょ前にやきもちを焼いたらしい。
「ここは店だし、剣も居るんだぞ?いいのか?お前、サッカー選手になるんだろう?」
瑞樹に蓮が言うと、
「うるさい!今回はパス!!体調が悪いんだ!」
と、瑞樹は涙目で答えた。
「蓮、やりすぎると清子さんに怒られるよ!」
後ろで店長が忠告すると、蓮は周囲をキョロキョロ見回す。
何事も無かったようで、フゥーと大きく息を吐いた。
蓮は瑞樹の煽りをすぐに止め、自由研究の話へと変えた。
***
瑞樹と華子の帰宅後、蓮は店主に先程の話を訪ねる。
「勿忘草からまた依頼か?」
「ああ、そうなんだよ。でも、何だかいつもとは違うみたいなんだよね。凄く怒っていて。兎に角来いって一点張りでさ。明日にでも行ってくるよ。」
「俺も行く、いくら定期的に高額支払いで依頼をくれる相手だったとしても、図に乗っているのは見ていられない。俺が〆る!」
拳を握り、蓮が険しい顔つきで、そう言い切った。
***
3日後、都内某所の猫カフェへと、店主の剣と付き添いの蓮は訪れていた。
入り口に本日休業のプレートが掲げられており、店内に客はいない。
剣と蓮の向かいに猫カフェのオーナーだと言う服装が派手で化粧の濃い女が座り、その斜め後ろにサイズの合っていないスーツを着ている疲れた表情の男が立っている。
そして、その後方の壁にぴったりくっついて、この店のエプロンをつけた若い女性が顔を強張らせて立っていた。
「聞いたわよ!先日、貴方たちが猫にしたものが狙われて、殺されかけたんですってね。どういう事なのよ!そんな連絡来ていないわ。今すぐ、あの子達をもとの姿に戻して頂戴!!私の商品たちよ、狙われるなんて許せない。絶対に傷付けさせたりしないわ。」
机をバンバン叩きながら捲し立て、終始強い口調で言い放つ。
その言葉に反応したのだろう。
壁際の女性は両脇にピシッと延ばされていた手の先を拳に変えて力が籠め握り、オーナーの後ろに居る男は下唇をギュッと強めに噛んだ。
思うところがあるのだなと、オーナーの向かいに座る2人には見えていた。
「まあまあ、落ち着いてください、大野さん。その件でしたらすでに解決済みです。確かに危険な目に遭った者がいましたが、誰も怪我はしていませんし、死んでもいませんよ(死にそうになった者はいたけれど、治したし)。報告はするまでもないかと判断いたしました。ですが、そこまでいうのであれば、戻すことは可能ですが、本当にそれでよろしいですか?」
オーナーの後ろの二人をチラチラと見ながら、剣が落ち着いた口調で尋ねる。
「もちろんよ。」
オーナーの大野が間髪入れずに返答する。
「よくないだろう。だって、ここに居る猫は世間の目に触れさせることが出来ないのだから。」
剣の横に座り、アイスの乗ったクリームソーダを飲んでいたはずの蓮が口を挟んだ。
子供の口出しに、オーナーは眉根を寄せて、文句を言う。
「ちょっと、なんなのよ、このガキんちょは?」
憤りがハッキリと態度に現れている。
見下した目線を蓮に向けているのだ。
「大野さん、この子は、今は私の弟扱いとなっていますが、彼は私と同じモノなのです。彼、こう見えて70は超えているおじいちゃんなのですよ。フフッ、それに博学でとても賢く、実に勇敢な紳士です。」
ニヤニヤと笑みを浮かべて、剣が大野の言葉に答えると、大野は目を見開き、蓮をジッと凝視した。
「お前は芸能事務所ミュウミュウの社長なのだろう?そこで使えなくなったタレントを猫にして、ここで働かせているっていうのを聞いたぞ。猫にされるもの達への常套句は、少しの間、猫になって世間から遠ざかりましょう。あなたには休憩が必要なのよ。だっていうのは聞いているぞ。うまい話だよな。でも、休むどころか大忙しになるのにな。」
蓮が侮蔑の目をオーナーに向ける。
「なっ、そう…だけれど…言い方…」
大野がモゴモゴと声に出すが聞こえづらい。
蓮が話を無視して話を続ける。
「働かせすぎで心や身体を崩した者、薬漬けになった者、罪を犯して謹慎している者、倫理に反した者、性の問題を抱えた者、ここにいる奴らは、世間に出られなくなった者達ばかり、今、姿を戻したら困るのは彼らと世話をする者達だ。そうだろう?なあ、君らはそれでいいのか?」
蓮がオーナーの横に居る男に目をやり答えるよう圧を掛ける。
「あ…は、はい社長、彼の言う通りです。彼らが本来の姿に戻った場合、秘密厳守で世話をする人材の確保や入院する病院を探さなければなりませんので…おそらく、探すのは難しいかと思われます。」
社長を恐れているのか、男は社長の目を見ることなく泳がせ話す。
だが、声を受け止めて欲しいのか言葉を選んで慎重に話を進めている。
「ふむ。」
社長は男の言葉を受け、口を歪ませ、考え始める。
「分かった。ここは私が引くわ。ただ、セキュリティ対策と報告を、きちんとすると約束してちょうだい。それと、近々、1人東北に連れて行くから、いつものようにお願いするわ。それと、エリリン。あの猫はもとの姿に戻して。そろそろ彼女を再出発させるから。島田、あとは頼んだよ。」
そう言うと、ムッとした顔のまま、椅子から腰を上げて社長は店を出て行った。
「何だよ、あいつ。」
蓮が社長の態度にイラっとして声に出す。
「すみません、社長はこれから打ち合わせに関西まで向かわなければならないので。という事で、ここからは私がお話しをさせていただきます。私は大野社長の第一秘書をしております。島田と申します。」
名刺を渡され、店主が丁寧に受け取る。
「あんたら、あの社長にパワハラでも受けているのか?なんで自分の意見をはっきり言わないんだ。それに、あいつらを休ませもせずに働かせて、鬼畜だよ。」
蓮が早速、噛みついた。
「それは…」
秘書がどういえばよいかと考えている間に、壁際に居た店長が口を挟む。
「あの、違うと思います。あの社長さん、鬼畜ではないと思います。」
「雪?お前もさっき社長見て悔しそうな顔をしていたじゃないか。何であいつを庇うんだ?お前も動物園に居たのだから、精神ボロボロなのにこんな所で無理矢理働かされて見世物にされる気持ちが分かるだろう?」
剣が雪に尋ねる。
「あ、それは、社長が彼女たちを人間に戻すようにと依頼するようでしたので、それはやってほしくなくて。でも、社長はしませんでした。本当によかった。あっ、そうです。私はもとはユキヒョウで動物園に居たので、見世物にされる気持ちは分かります。ですが、今は人間です。人間の気持ちを理解しようと努力しています。私は猫の言葉が分かるので、彼女達の通訳もしていますが、ここで働くことに関して、彼女達が文句を言っていることは少ないです。働く時間もきちんと管理していますし、本当に休ませなければならない者は店にも出していません。むしろ、ここにいる子達は働くことが凄く嬉しそうで、だから違うと思います。その、まだ勉強中の身ですが、私はそう思います。」
雪がそう言うと、その言葉に納得できずに剣が首を傾げた。
「それは、彼女達がタレントだからかな。」
秘書の島田が剣の様子を見てそう発した。
「私も最初この店の提案を聞いた時は自由に休ませてやればいいのにと思いましたよ。ですが、彼女達はタレントなのです。注目を浴びたり、可愛がられたりすることは生きがいとなるようなので、この猫カフェに来る猫好きのお客様に可愛がられて、安心するだろうと社長がそうおっしゃって。それに、1人きりにするのは危ないと…社長は、そういう事を考慮して、ここを始めたのです。」
島田が顔を上げて、剣に話す。
社長の話をする島田は、誇らし気であった。
「そういった事情があるのか。そうか、それならば、あいつは鬼畜じゃない。」
と、蓮は取り消した。
「にゃー」
猫の声がする。
猫が一匹、遊びスペースの猫タワーから姿を現した。
「エリリン。」
雪は足元に来た猫の名を呼び、抱き上げる。
「ああ、その猫ちゃんでしたね。ヒトに戻すのは。」
剣がそう言って身を乗り出すと、ビクッと猫は身構える。
「フッ、島田さん、部屋の用意をお願いします。それから、彼女の衣服も。戻った時は裸なので、皆に見られるのは嫌でしょうから。」
ニヤニヤと剣はいつもの薄気味悪い笑顔を浮かべている。
「あ、あ、はい。寒川さん、スタッフ用の控室は使えますか?」
「はい、大丈夫です。服を、新田エリカさんの服を今すぐに用意します。」
島田の目の前の机の上にエリリンを降ろし、雪は急いで裏手へと服を取りに行く。
「島田さん、彼女は変身前と何も変わることなく人に戻せばよろしいでしょうか?」
剣が尋ねると、
「はい、そうするようにと社長からは言われております。」
「承りました。」
心の落ち着くその声で剣は優しく答えた。
雪は戻ってくると、清楚なワンピースと下着セットを剣に渡した。
剣がエリリンに声を掛けると、剣の後をエリリンがついて行く。
フロアに残された3人はその後姿を静かに見送った。
沈黙が気まずかったので、蓮が秘書に話し掛ける。
「秘書さん、さっき社長さんが話していた話、今度東北に連れてくる客の事を詳しく教えて。どんな案件なの?」
返事を聞く前に、2杯目のクリームソーダが蓮の前に運ばれてきて長いスプーンで上に乗ったアイスを食べ始める。
「…実は…その方は…最近、深夜のドラマの主人公の友人役で健気な演技を見せて名が一気に広まった女優なのですが……彼女、妊娠をしていまして…」
かなり言いにくそうに、そう告白をする。
「え?相手は?」
「相手は既婚者のようでして、それでも出産すると言い張って、事務所としても…」
「…」
剣は他人の養子の話なのに、もの凄く険しい表情になっている。
重い沈黙に耐えられず、秘書は続ける。
「しゅ、出産を終えるまで身を隠させたいと、社長がおっしゃっておりまして。それに、猫での出産の方が体に負担が少なくてすみ、また子猫ならばバレることなく近くで育てられるだろうと……」
「俺達は便利屋じゃねーぞ!何を言っているんだ?」
剣は力なくそう質問を返していた。
「ですよね…」
こめかみあたりに垂れる汗をハンカチで拭いながら、乾いた笑い交じりに言う。
壁際に立っていた雪が、複雑な表情をしていた。
奥のスタッフが使う控室から人が出てくる。
剣だ。
そのすぐ後ろに、人気絶頂アイドルグループの主要メンバーの1人新田エリカがいた。
大イベントを直前に控えてのパニック障害を理由にした突然の休業宣言が世間に一時の衝撃を与え、ネットニュースに上がっていたのは3か月前の出来事である。
「終わりました。」
近付いてきた剣がそう言うと、秘書はホッとした表情を浮かべた。
だが、剣が秘書の真後ろに来ると、秘書の座る椅子の背もたれに手を乗せ、しゃがみ込み、秘書にこう耳打ちした。
「さっきの話だけれどね、私も剣の言葉と同意見です。我々は慈善事業をしているつもりはありませんので。あ、そうでした!これからの依頼ですけど、依頼料を上げさせていただきます。今までより桁数を1つ増やしたお値段でご依頼を承りますのでよろしくお願いしますよ。もちろん、猫から人への料金も、同料金へと変更となりますので、社長さんにせっせとお金を貯める様に、よろしく言っておいてくださいね。」
剣は言い終えると、背中をピンと伸ばし、蓮へと声を掛ける。
「蓮、帰りますよ。」
蓮はクリームソーダを一気に飲み干し、立ち上がる。
ドアへと向かう途中で足を止め振り返り、剣は再び秘書に声を掛けた。
「ああ、入金はお早めにお願いしますね。今回の料金は据え置きですから支払いは容易いのでしょう。ですが、我々は、そんなに優しくありませんので…何かしたと判ったら即刻、消しますから!!では、またのご依頼をお待ちしております。」
そう言い残して、剣は店を出る。
外は強い太陽の日差しが頭上から降り注ぎ、ジリジリと肌が焼け、ほんの数分しか佇んでいないにもかかわらず、焼ける痛みに汗がにじみ、蒸しかえるような熱さとなっていた。
***
「なあ、来ているよな?」
「ああ、また来たのか…」
ウンザリと言った表情の店主と蓮のボヤキが聞こえてくる。
八月も終わりに近づいたある日の昼下がり、猫屋のドアベルが鳴り響いた。
シャランシャラン。
いつもの音色である。
その音と共に、入店してきたのは、身長が190越えの顔の濃い男、モネラの王の夫である阿部匠だ。
入り口で店主と目が合い、ペコリと頭を下げて挨拶をする。
そしてすぐにカウンターへと歩みより、今度は声を出して挨拶をした。
「こんにちは、天主様。いつも瑞樹がお世話になっています。」
再びペコリと頭を下げた。
「座れば。」
蓮が自分の隣の席を指さし、匠に指示する。
匠はお言葉に甘えてと返して、言われるままに横へと座った。
座ると同時に胸ポケットを探る。
そこからチェーンの着いた鍵を取り出し、カウンターへと置いた。
「昨夜、こちらに戻ってきたので、これをお返しします。」
どうやら清子の体調が安定し、大阪の研究所から自宅へと戻ってきたようだ。
行き来することが無くなり、鍵を返しにきたのだろう。
「そうですか、瑞樹君も喜んだでしょう。」
店主が聞くと、
「はい、昨夜から清子にべったりです。」
と、嬉しそうな声で答えた。
「あ、これ、清子から天主様へと預かってきました。お刺身で食べて欲しいとのこと。」
紐の着いた小さな発泡スチロールの箱がカウンターに置かれる。
上蓋を持ち上げると、そこには旬の烏賊が数匹いた。
まだ新鮮なようで、足がうねうねしている。
「ありがとうございま…んん!?」
店主が箱を受け取ると、何かに気が付いたようだ。
「あ、これは居ますね。」
そう言うと、どうしたものかと考えるように、天井を見上げる。
「何だ?何が居る??」
蓮が気になったのか、箱を覗き見ながら、口を挟む。
「ああ、アニサキスですよ。ギッシリいらっしゃいます。」
天井から烏賊へと視線を移し、見つめながら店主は答えた。
ヒエッと小さな声を蓮が漏らし青ざめ、対照的に本当ですか!!と嬉しそうな声を匠が椅子から立ち上がり覗き込みながら声を上げた。
「匠さん、私一人であるならば、このご馳走を刺身でじっくりいただいて、腹痛に挑戦するところなのですが、今は蓮と同居しているので、冷凍か加熱をしてからいただきますと、清子さんにお伝えください。ご期待に沿えず申し訳ないと。」
そう言いながら、店主は烏賊をカウンター奥にあるキッチンの冷凍庫へと運んだ。
「えっ、あ、ご期待…美味しく頂いてくれるのであれば清子も本望だと思います。」
複雑そうな表情を浮かべ、匠は答えた。
「そういえば、C国にいる天主様が日本にいらしているそうですね。一昨日、五稜郭の方に来ていたとかで、騒ぎになっていたようです。」
匠が店主から練乳たっぷりのマンゴーのかき氷を受け取りながら話す。
「あー知ってるぞ、その話…」
蓮が顔を綻ばせ抹茶のかき氷を受け取りながら、鬱陶しそうな声で返答する。
店主を見ると、匠に向かって肩をすくめて困ったといったリアクションをする。
何も言えなくなり、匠はかき氷を食べ始めた。
「あ、美味い!!何これ、普通の氷じゃないの?」
「あれ、気が付きましたね。実は、牛乳を凍らせて削りました。余っていたので消費したくて。反応が良ければ新メニューに咥えようかと考えてたのですが。いかがでしょうか?」
店主が嬉しそうに弾んだ声で聞いてくる。
「うん、普通の氷よりもふんわりでいい感じだよ。」
匠は甘いものが好きらしく、怒涛の如くスプーンを口に運ぶ。
案の定、眉間に激痛が走った。
その時、
「ん!?」
と、変な声を蓮が発する。
匠が
「アイスクリーム頭痛ですか?」
と聞くと、
「来たぞ!」
と、眉間に皺を深くして、蓮がそう答えた。
その瞬間、店内奥にあるお手洗いのドアが音を立てて勢いよく開かれる。
バーン!!
「ヤッホーみんな元気してるぅ!?」
と、元気いっぱいで少し舌ったらず、甘え口調の青年が両手を大きく広げて姿を現した。
「「エルフ!?」」
店主と剣が同時に声を発する。
猫屋店主に呼び名が沢山あり、困惑してしまうと思いますが、店主、剣、店主様は、この部では猫屋店主のことです。
“Forget-me-not”猫カフェにいる間は、店主ではなく剣と表しています。
この店の店主ではないなと区別。
匠たちからは天主やテンチョー(天長)などと呼ばれています。
そして新たな登場人物エルフ、彼の詳細は次回にて。